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9月からはバンクーバーアイランドのビクトリアへ移動して新しい小学校で研修が始まりました。この学校では幼稚園児から5年生までの生徒200人が緑豊かな木々に囲まれた環境で学んでいます。

新年度が始まるにあたり、先生方は年間計画や方針を立てることに大変忙しくしていらっしゃいます。
ジム(体育館にあたる)や音楽室は教室ごとに曜日と時間の割り当てがあり、交代で使用しています。学校への送迎はスクールバスもありますが、父兄が送迎する生徒がかなり多い印象を持ちました。
私としては、写真や映像をたくさん見せて日本のことを知ってもらいたいと思っていましたが、授業をしてみて、写真や映像を見せながら話をするよりも、自分で何かを作るなどの活動の方が楽しそうにやっている印象でした。普段の授業も、それぞれ自分のペースで子どもが何かしら活動することがメインで行われているので、一斉に話を聞くよりそちらの方が合っているのかと気づきました。特に、新聞紙工作と書写は楽しんでもらえたようです。

9月中旬にインターナショナルウィークというヨーロッパの各地から先生たちが来て、それぞれワークショップを行う機会がありました。私もそこで日本文化のクラスをもたせていただき、様々な活動をまるまる2日間行いました。やってみて学ぶことがたくさんありました。
先生たちが様々なアイディアをもっているので、それと自分ができることを組み合わせながらやっていくのは楽しいです。
○ LD生徒の追体験
今回の旅の一番の成果はLD生徒の気持ちを少し体験できたことかもしれない。18日間英語でコミュニケーションしなければならなかった。英語力のない私にとっては、これはよくわからないことの連続であった。英語のシャワーの中で、分からないという事がこんなにもストレスを与えることになるのか、よく分からないのに「ヤップ(NZ のイエス)」ととりあえず相槌を打つ事の情けなさ、考えていることや言いたいことはたくさんあるのに、それを表現できないもどかしさ等々、これは実に辛い。LD生徒が教室で感じている辛さはこんなものじゃないかも知れないと想像すると、今までの自分の彼らに対する教育の至らなさが痛感させられた。

○ 学校完結型と社会資本依存型
日常の職場実習を近隣の教会や商店、集会場、幼児の遊び場、YMCA、図書館、ホテル、個人宅(芝刈り)などで行っていた。地域の方々の受け止めも大変よく、インクルージョンが進んでいるお国柄を実感した。特別支援教育の生徒がどんどん地域に出ていくことによって障害者理解も進むという相乗効果も期待できる。それに比べると我が国の特別支援学校は学校内完結型が多い。勤務校は地域に出て行く学校ではあるが、もっともっと日常的に地域に出て地域の社会資本を活用していく視点を大切にしたい。

○ 特別支援教育は20歳まで
我が国では学校教育は18歳で全員一律に終了となる。一方で特別支援教育のニーズのある生徒は個人差が大きく、本校にも18歳で社会に出るにはあまりに幼い生徒がいる。こういう生徒の場合、せっかく就職できても長続きできないケースが見られる。NZのように21歳までとは言わないが、せめて20歳の成人までTransition のようなクラスでキャリア教育を受けられると、もう少し大人になってから社会に出られる。その分、自立した生活を送れる可能性が高まる。コストはかかるが、卒業後の人生で何十年も働いて納税者として生きるか、それとも働けず福祉の世話になるかを考えれば、20歳までの投資は結果的にはそのコストを上回る効果を発揮してくれると考える。
ターム3も残すところ二週間になりました。授業を持っているクラスや参観しているクラスの子の名前をだんだんと覚えてきて、名前を呼ぶとどの子も嬉しそうで、「私の名前は?」と聞きに来ます。名前を覚えることで距離も縮まったような気がします。

日本語を教えるときはゲームを考えて行うようにするとどの学年の子も楽しんでくれます。日本で教員時代に英語の時間にやっていたゲームを日本語バージョンにすると比較的簡単にできるし、オーストラリアの子たちも楽しんでくれます。第4タームにはダンスの発表ができるように4年生と6年生に引き続きダンスを教えています。
〇 常に英語と接することのできる環境を
二週間英語付けの毎日だった。最初は、日本人か日本語を話せる人がいて欲しいと思っていたが、結果として日本人も日本語を話せる人もいないという状況に置かれたことで必然的に英語で話さなければならないという環境になった。機器や本に頼ることもあったが、電子辞書で調べた単語や、英会話の本に載っている表現を実際に使うことで、本当の力になった。ホストファミリーが話した最後の言葉を繰り返してみたり、分からないことは聞き返したり、簡単な言葉で話してもらったりすることも効果的であったように思う。

また、現地の新聞や広告を見ることで長文の英文を読むことにも抵抗がなくなった。日本に戻ってからも、ホストファミリーとメールでの交流を続けたり、英字新聞を読んでみたり、教員間での英語での発話量を増やしたりすることで英語と接する環境を作っている。また、教室でも、子ども達を賞賛する言葉や、話に注目させる言葉、挨拶などをふだんから意識的に、積極的に英語を使っている。自分自身の英語力アップに向けて、また、子ども達が抵抗なく気楽に英語を話せるような環境を整えていきたい。

〇 異文化理解について
オーストラリアの一般の家庭で生活したことで、オーストラリア人の生活習慣や価値観が少しは理解できたように思う。ホストファミリーが温かく迎えてくれ、全員が聞けば何でも教えてくれたので少しでも分からないことがある時は聞くようにした。共通していることも多く何不自由なく過ごすことができた。ホストファミリーの方々が本当に温かく接してくれた。2020年には東京オリンピックもあるのでその時はぜひ来ていただきたいと思っている。

教育に関しては、各自の得意科目を伸ばし、苦手科目を補強していく「習熟度別指導」や、児童の個性や能力に合わせた対応をしていた。(フリースペースなどで個別に対応。)また、低学年のうちからタブレットなどを用いるなどIT教育を積極的に行っていた。教科書はなく、教師が自由に教材を選んでいる。テキストを見ると「暗記」よりも「考えること」に主体を置く問題が多く見られた。印象に残ったのは、スピーチや発表、話し合いなどを通じて自分の意見を持ち、発言することができる子どもが多かったことだ。小学校のうちから自分の事や思いを自信をもってはなせるような子どもを育てていきたいと強く思った。

このような研修の機会をいただきありがとうございました。自分自身のスキルアップと共に今回体験したことを横浜市の子ども達に還元していきたいと思っている。

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