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2023年11月

今回は様々な取り組みの中で最も興味深かったチームプログラムについてご報告します。このプログラムは、1st grade の生徒たちが第2学期に取り組む教科横断型の課題です。毎週1つのテーマが提示され、生徒たちはチームごとに1週間で課題を仕上げていきます。

その中の1つとして、現在の学校のロビーをより快適な環境、空間にするための案を作成するという課題がありました。発表方法としては、ポッドキャストでコンセプトを発表、デジタルポスターで図案を提示しながらプレゼンし、最後に英語で簡単にポイントを説明するという流れでした。初回の授業では、実際にポッドキャストを聴きながら「伝え方」を学び、次に事前に用意された複数のコンセプトから現実的なものと興味深いものを3つずつ選び出すという作業に取り組んでいました。生徒たちが具体的に何をするべきなのか、導いていくための工程がしっかりと準備されていることがわかりました。使いたいソファや机、椅子等の家具についても生徒たちが選択し、その工程においては実際にフィンランドの家具会社の方が来校して、カタログを見せたり説明を加えたりしていました。発表はクラスごとに行い、最も素敵だと思った案に生徒が投票してクラスの代表案が選ばれていました。最終的に選ばれたグループの案に沿って実際にロビーが改修されるということで、生徒たちも楽しそうに取り組んでいました。

その他に、News report videoを作成するという課題もありました。ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』の話をベースに、グループごとに1つの出来事を取り上げ、その内容についてのNews report video を撮影、編集して完成させるという内容でした。また、半分のグループはfake newsとして動画を作成することになっていました。グループごとに様々な工夫が見られ、動画撮影のために衣装や小物を用意したり、登場人物や動物になりきってインタビュー場面を撮影したりしていました。インタビュー場面の撮影においては、一部英語で会話をするというルールとなっていました。

研修が始まって間もない頃、3年生の国語の授業を見学させてもらいました。その授業のトピックは討論のやり方ということで、生徒たちは先生が提示したテーマに基づいて自分自身の考えを書き、発表し意見を述べるということをとてもスムーズに進めていました。私は授業担当の先生に、なぜ生徒たちはこんなにもスムーズに自分の考えを発表することができるのかと質問してみました。その返答は、1年生の初期に取り組むチームプログラムを通して生徒たちは自分の意見を述べたり発表したりすることに慣れていくということでした。実際にチームプログラムを見学させてもらい、納得する部分がありました。チームで1つの課題に取り組むためには、自分の考えを伝えたりお互いの意見を交換したりすることが必要となります。また、様々な発表方法や表現方法を身につけることにも繋がります。どの授業においても生徒の主体的な活動がメインとなっていますが、今回のチームプログラムがベースとなっているということがわかりとても興味深かったです。

2年生以外の小学生に折り紙の授業を行いました。10月下旬はハロウィンに合わせてパンプキンを折りました。オレンジの折り紙は全員分の枚数がないので、校内を探してA4サイズのオレンジ色の用紙を正方形に切って準備しました。5年生の子たちは、作ったパンプキンを立つようにアレンジしていました。低学年にはIIPの折り紙ブックにある犬と猫を紹介しました。ひっくり返すことで犬や猫に変わるし、自分で顔をかけるので、どこでやっても人気です。早く終わった子のために家のイラストも用意したら、色を塗ったり名前をつけたりしてそちらも楽しんでくれました。3年生とは吹きゴマを作りました。季節に合ったものや、顔をかいたり動いたりするもの(コマなど)だったからか、どの学年もとても喜んでくれました。英語力はまだまだですが、スライドを準備したり子どもたちが折るのを確認したりしながら進めたので、思ったよりうまく授業ができた気がします。

他には、高学年でトントン相撲をしました。カナダの国技のラクロスやアイスホッケー、日本の武道は実際にプレーする人もいるけれど、相撲は見て楽しむスポーツだということに気づき、「じゃあこの人たち(力士)は誰なの?」と普段あまり考えないことを質問されました。クラスによっては「まわし」についての説明を求められ、紹介する前にまず自分がいろいろと「知る」ことが大切だということを実感しました。また、相撲を知ってもらうためにYouTubeで大相撲の取り組みを見てもらいました。子どもたちは、どちらの力士が勝つか予想しながら動画を見ていたので、勝ち負けのルールを説明する前に理解してくれました。授業のはじめに日本語の挨拶を紹介しているので、私を見ると日本語で「こんにちは」「おはよう」と挨拶してくれる子もいます。日本語の挨拶をもっと広めたいと思います。

今年の8月から来年3月末までの予定で、フィンランド中央部にあるPihtipudasの小規模高校で研修をしています。Pihtipudasに来る前に、5月から3ヶ月間マルタ共和国で英語の語学研修を行い、新学期が始まる時期に合わせてフィンランドに来ました。

現在は、学校から自転車で10分ほどの所にホームステイをしています。ホームステイ先のご夫婦の子どもたちはすでに自立していて、ご夫婦と私の3人の生活ですが、本当の家族のように接してくれ、フィンランドの家庭や文化について深く触れる機会に多く恵まれています。社会教育が進んでいる国なだけあって市民講座も充実しており、週に3回フィンランド語講座、編み物講座に通って、余暇活動の重要性を実感しています。

研修校では、英語科の先生が国際交流の担当として私の受け入れ責任者となっており、小中学校との交流や生活全般の渉外をお世話してくださっています。私自身は、生徒と先生の中間のような立場で、日本の文化や社会について毎週2回のペースでプレゼンテーションを行ったり、生徒と英語の授業を受けたり、英語科以外の授業を見学に行ったりしています。基本的には毎日英語の授業に出席し、生徒と同じように当てられたり、ペアワークをしたりしていますが、日本での専門が高校公民科だったこともあり、自分の英語力の低さに日々苦労しています。

一方で、公民科という専門を生かして日本の社会や制度、経済などについて紹介することに手応えも感じています。その他には、小中学校にも招かれ、折り紙や日本語の授業をしました。折り紙ではアニメのキャラクターを作ったり、日本語の授業では漫画の一コマを扱ったりしましたが、授業以外でも「こんにちは」と声をかけてくれたり、日本のゲームについて教えてくれる生徒もいて、児童・生徒の日本文化への関心は高いと感じます。

寒さや言葉の難しさはありますが、受け入れ校、ホームステイ先共に温かく素敵な方に恵まれ、充実した日々を送っています。
スウェーデンでの暮らしも2ヵ月目ともなるとすっかり慣れてきました。毎週火曜日の日本語クラスも順調に授業が進みました。
10月24日は簡単な茶道を体験してもらいました。日本から持って行ったお干菓子は美しいし、ハロウィンなど季節感のあるお干菓子だったので人気でした。このお菓子はどこで買えますかと聞いてくる生徒もいました。お抹茶でお薄を点て、器型の紙コップで試飲してもらいました。初めての人の感想が気になりましたが、概ねおいしいという感想でした。実際にお薄を点てる体験がしたい生徒には体験をしてもらいました。茶筅の扱いやお湯の温度、器の形状などのせいか、泡だてるのは難しいようでした。

10月29日から11月の1週目は学校の秋休みになります。また、この日から冬時間になりました。先生たちは初めの2日間は研修会があるので出勤しておられましたが先生たちは水曜日からが休暇です。
休暇は明けたのですが校長先生は風邪をひいて寝込みました。学校内も生徒も先生も風邪とかコロナで休んでいる人が多くなりました。しかもマスクをしている人は一人もいません。

11月最初の授業はヒロシマと原爆の子の像、そして折り紙での折り鶴の作成です。毎日のようにウクライナやイスラエルの戦争についての報道があるため生徒も今回の授業は関心を持ってくれました。ヒロシマ、ナガサキのことをよく知っている生徒もいました。
授業ではなぜ折り鶴が平和の象徴なのか、さらに千羽鶴を折ることの意味を原爆の子の像の由来とともに話しました。同じ年頃で原爆によって亡くなった佐々木禎子さんに思いをはせ、平和を祈りながら折り鶴を折ってくれました。
単に折り紙の折り方をレクチャーするだけでなく折り鶴の意味を教えることで平和への思いを新たにしてくれました。「みんなが折った平和への願いがこもった折り鶴を原爆の子の像に持っていくよ。」と話すと折った折り鶴に自分の名前を書き込んだり、平和への思いを書いたり、たくさん折りたいから紙をくださいという生徒もいて嬉しい限りでした。千羽には届かないかもしれませんが何かの形にして持っていきたいと思っています。

校長に続いてホストブラザーそして私も風邪をひきこの週は一週間休まなければなりませんでした。しかし何とか回復し、月曜日からは学校へ行くことができました。早速火曜日から授業でしたが大きな声で話すこともできないので日本の伝統的な玩具で活動してもらうことにしました。
お手玉、紙風船、けん玉、独楽、福笑いや紙相撲などやり方を動画で見せて全種類を体験できるように譲り合いながら体験してもらいました。一番の人気はけん玉です。私が勤務する広島の廿日市市はけん玉の発祥の地とされていて毎年けん玉ワールドカップが開かれています。その時の様子を動画で見てもらうと、高度なテクニックでけん玉を操る様子を、関心を持って観ていました。 
終わりには、日本のじゃんけんのやり方を教え、私に勝った人から関心のある玩具を持ち帰ってもらいました。人気は紙風船でした。今回の授業は活動が主でした。活動させることによって日本により関心を持ってくれると思いました。

生活が慣れてくるにしたがって、もっとスウェーデン語を勉強しておくべきだったと後悔しています。今までは様子を見たり、授業を見学したり、自分の授業は英語でしたりすることで事足りていました。もちろん先生方も生徒も英語で話しかけてくれたり、私も英語で返答したりしてはいますが、もっと踏み込んで先生方の中に入り、先生方の話や、生徒たちが話す生の声を聞き取るにはスウェーデン語が理解できなくてはならないと痛感しています。スウェーデン語はあいさつ程度しか練習していなくて、英語が通じるということに甘えていました。現地の言語をある程度勉強しておくことも必要だったと感じています。

9月の新学期から、バンクーバーの公立小学校で研修しています。
日本の公立小学校との違いに日々驚かされます。
授業の仕方、学校規律、職員会議...中でも学校行事の違いは面白いです。

9月30日はNational Day for Truth & Reconciliationの日で、全校児童・職員がオレンジ色のTシャツを着ます。Tシャツがない場合はオレンジ色の服や小物を身につけます。日本の小学校で働いたときは、運動しやすいジャージかオフィスカジュアルなグレーや紺の服しか着ませんでした。まさか、オレンジ色の服が必要だとは...慌ててダウンタウンまで買いにいきました。
校内ですれ違う人々皆が同じ色の服を着ているのは日本にない光景でした。
日本では運動会での体操着ぐらいでしょうか、みんなが同じ色の服を着ているときは。
2月はピンクシャツDayがあります。慌てて買いに行かないよう今から準備しています。

10月31日はHalloweenのため全校児童・職員が仮装して登校します。日本人の考える「カチューシャだけ仮装しよう」なんてレベルではありません。全身仮装が当たり前です。衣装に合わせてメイクをしている子もいました。その日はHalloween集会があるということで体育館に全校児童が集まりました。Halloweenに関する歌でも歌うのかなと思っていたら、各クラス列になって今日着てきた衣装を全校児童の前で歩いて見せるランウェイです。その後みんなでHalloweenの曲に合わせてダンスをしました。ランウェイが集会だとは...日本にはない行事で驚きました。

他にも、パジャマを着て登校する「パジャマDay」やレインボーの服を着て登校する「レインボーDay」があります。カナダの学校へ研修する人はどのような服が必要か、現地で服を買うと高いので日本にいる間に買い揃えて持ってきた方がいいですよ。


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