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ドイツ

 今月は、アウグスブルクという南ドイツにある私立のインターナショナルスクールに2週間滞在しました。ここでは、期間が短いこともあってか、「授業を見学する」という形で、ほとんど日本語や日本文化を教えることはありませんでした。
 この学校には、日本人の小学生が何名かいました。家庭の事情により、英語もドイツ語も知らないまま、ドイツに来る子がほとんどだそうで、通常の授業もあまりわかっていない子も何人かいるようでした。見学している授業の中で、英語で行われる授業についていけない子には日本語で解説したりもしました。こういう形で日本語を教えることは考えていなかったので、とても新鮮でした。また、母国語の授業(日本語)の時の子どもたちの生き生きとした姿もとても印象に残りました。
 また、ベルリンの学校では、日本の宗教について話す機会がありました。授業をするその日に、「日本の宗教について発表してほしい」と頼まれたので、インターネットで手短にまとめられた仏教と神道の説明を印刷し、神社やお寺でどのようにお参りするのかを説明しました。
 私が、大抵1年に1回大晦日の夜に神社やお寺に行きお参りをすることを説明すると、お参りをするのは強制なのか、ということを聞かれました。おそらく、子どもたちはキリスト教と比較していたのだと思いますが、私が「行きたい人は行く」ということを説明すると、興味深そうに聞いてくれていました。普段、特に自分がどんな宗教を持っているのか考えたこともなかったので、準備する時間がほとんどない中、自分の経験の中から話すことは、印象に残る授業となりました。
 また、神社やお寺で最初に口と手を清めることを説明したところ、なぜか日本のトイレ事情について尋ねられたので、翌週に1時間の授業を使って、日本のトイレについてプレゼンテーションをしました。日本の高機能トイレの紹介だけでなく、学校で1年生からトイレ掃除をすることを説明すると、多くの生徒が驚いていました。ちょうど、男子トイレで落書きが見つかった時期と重なり、どのようなトイレにすれば、みんなが気持ちよく使えるのか、というディスカッションにつなげることができました。
 今月は、7年生対象に11月から行ってきた、日本の災害(地震、噴火、津波、洪水、台風)について発表する機会を設けました。週に1回の授業で下調べや、色画用紙に発表内容を書いてもらいました。本番ではほかの先生に録画してもらい、5分ほどのプレゼンテーションをしてもらいました。
今回は、物理の先生から「授業で原子力発電について説明するから、福島第一原発の説明をしてほしい」と頼まれました。原子力発電とはどういう仕組みなのか、という説明から始まり、なぜ起きたのか、地震が起きたときどう感じていたかなどをプレゼンテーションの形で発表しました。高校生の時に物理を選択していなかったので、どんな説明をすれば仕組みを理解してもらえるのかなど、大変でしたが、物理担当の先生がフォローしてくださり、無事に終わりました。
今月は、毎週行なっている日本文化や日本語の授業のほかに、小学生に折り紙などの日本の遊びを教えたり、習字で生徒の名前を書いたり、日本についてのプレゼンテーションを行なったり、阿弥陀仏について5分ほど話したりする機会に恵まれました。
多くの教室にはスマートボードがついているので、プレゼンテーションにはpreziというインターネット上のものを使っています。マインドマップのようなプレゼンテーションができるので、日本という大きなトピックについて話すときに使いました。
また、阿弥陀仏については、歴史の授業でちょうど仏教についてならっている時期だったらしく、5分ほど説明してほしいとのことでした。普段、宗教について詳しく考えることがなかったので、インターネットで調べたりして、簡単に説明しました。
また、通常行っている7年生の総合学習の時間では、日本の県を調べるだけでなく、4つのグループに分かれ、日本の災害について調べ、ポスターを作成しています。
日本語の授業では、手作りのカルタをつくりました。1か月半ほどで、ア行からサ行まで覚えたので、その文字を覚えてもらうために、その文字から始まる単語と絵を50枚ほど作りました。3回ほど行っていく中で、子どもたちが少しずつ文字を覚えていっているのを実感しています。「高校生が対象なのに、カルタで遊ぶのはどうなのだろう」と最初は思いましたが、毎回楽しんでくれているようなので、作ったかいがありました。

今月中旬から日本文化と日本の授業を教えています。
アートの授業の一環として日本語の文字、漢字を教える機会がありました。
特に、象形文字(山、木、森など)を紹介すると、とても興味深そうに聞いてくれました。また、発展授業として、自分で作ったオリジナルの漢字を墨汁を使って書いてみようという授業をすると、メガネやトナカイなどを簡潔に書いた文字を作っていました。
また、7年生に県庁所在地を調べて、A4にまとめてくることを宿題に出すと、3日も経たないうちに調べ上げ、県庁所在地の漢字を書ける子まで出てきたことに驚きました。
高校生をメインに教えているのですが、先日同じ学校の小学生に折り紙を教えました。ちょうどハロウィンの時期だったので、カボチャの折り方を教えたのですが、初めて折り紙をする子たちに教えるには難しかったようで、クラスの先生と一緒にほとんど手助けする形となってしまいました。
また、本来は日本文化を紹介するだけの予定だったのですが、日本語を習いたい子達が多く、1週間に4時間(45分×2を2コマ)、13年生(18,19歳)と10年生に教えています。
 最初は日本語に3つの文字があることの紹介、ひらがなとカタカナの五十音順表を渡し、日本語の単語を解読するゲームを行いました。カタカナはドイツの町の名前を書いたところ、発音がドイツ語とかなり違うことに面白がっていました。(Berlinをベルリンと一字一句読むところなど)。
ドイツに到着して、3週間が過ぎました。研修先や滞在先にも恵まれ、担当者さまには大変感謝しています。本などを読んで心の準備は一応はしたものの、海外での生活、とくに学校の様子は予想通りびっくりの連続です。あまりにたくさんあってここにはとても書ききれなく、毎日のようにfacebookにあれこれ書いています。
 私がお世話になっているのはバイエルン州の地方都市から電車で30分あまり、のんびりした小さな町です。街中を歩いていると視線を感じます。外国人ではトルコ系が多そうですが、児童では片親が中国人、日本人という子もいます。アジア、しかも極東の日本のことはあまり知らなくて、私に「日本て、中国の一部なんでしょ。」と聞いてくる子もいます。しかしお寿司はかなりポピュラーですし、出所は知らなくても日本のアニメや日本製品は彼らの身近にあります。今はこちらの授業を見学していますが、いずれは日本のこともできるだけたくさん紹介したいな、と考えています。

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