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2024年3月

フィンランドでの研修も終わりに近づき、これまでやらせていただいた日本紹介授業について振り返ってみました。

私自身の教科が社会科であるため、日本語クラスに参加する以外は、歴史や政治、宗教の授業によく参加させてもらっていました。その他にも、英語や心理学の授業に参加させてもらう機会が多かったです。そのなかで、各教科の授業で取り上げるテーマに関連した内容で、日本の文化や社会について紹介する時間をもらいました。

歴史、宗教の授業では、『日本の宗教と文化』というテーマで日本の文化や社会における宗教の影響、考え方について紹介しました。宗教というテーマは表現や伝え方が難しかったですが、この授業をきっかけに先生方と宗教やそれぞれの国の文化について話をすることもでき、改めて日本について考える機会にもなりました。

英語の授業では、『日本の学校生活』について紹介しました。生徒たちに、日本について知りたいことは何かアンケートを取らせてもらいましたが、やはり自分たちと同じ高校生がどのような学生生活を送っているのか興味があるという回答が多く、日本の教育制度というテーマを選びました。また他の英語の授業では、『日本の犯罪状況』というテーマをもらいました。このテーマについては、日本でも深く掘り下げたことがなかったため、メインとなるトピックを考えることが難しかったですが、少しでも生徒たちに興味を持ってもらえるように日本の若者たちの間で問題となっている犯罪について話をしてみました。

続いて、心理学の授業では、「感情」について学習する単元があったため『日本人の感情表現』というテーマで授業をさせてもらいました。実際に、フィンランドの教科書には日本人の感情表現に関する記述があり興味深かったです。この授業については、生徒たちが大きく興味を示してくれ、一番質問をしてくれたテーマでした。フィンランド語担当の先生からは、『日本のマナー・慣習』について紹介してほしいと言っていただき時間をもらいました。お辞儀や箸のマナーのほか、公共の場やビジネスの場におけるマナーについても取り上げました。

最後に、日本語クラスでの授業についてです。このクラスでは、お正月やバレンタイン等の年中行事について、日本の高校生活やマナー、文化について紹介してきました。それぞれのテーマについては、生徒に興味がある内容について尋ねてみたり、担当の先生と相談したりしながら決めてきました。

どの授業においても、テーマをもらい、それに沿った内容でトピックを考えて授業を組み立ててきました。私にとって、英語で表現し伝えるということは毎回難しかったですが、本当に良い経験をさせていただきました。

カナダの公立小学校で研修を7か月間行いました。カナダの教育現場に触れると、日本の教育の良い面にも気付くことができます。今回は、私が実際に研修を通して気付いた、日本の教育システムの良い点を8つ紹介します。
日本で働いていたときは何気なくやっていたことが実は教育上、大事なことなのではないかと個人的に感じた内容です。

①職員室がある
カナダには職員室がありません。一人一人先生方の教室があり、授業準備は各自の教室で行っています。会議室はありますが、ただ集まる場所なだけであって作業する場所ではありません。日本で働いていたとき、私は職員室が好きでした。先生方と他愛無いおしゃべりをしながら授業準備をしたり、悩みを話したりと自分では浮かばないアイディアをもらえる場でもあったからです。

②式典がある
日本では、入学式を体育館で行い、桜の木の下で写真を撮ったり、冬休み前や春休み前などには体育館に一斉に子供が集まり、校歌を歌ったり休暇中を安全に過ごすためのお話を聞いたりします。カナダではそういった節目の行事が少ないです。入学式もなければ、始業式も終業式もない。さらっとはじまり、さらっと終わる感じが私には不思議に感じました。

③授業参観がある
カナダでは、個人面談と保護者会が年1・2回、放課後に親が学校に訪れて子供の学習で使ったプリントや掲示物を見に来るOpen Houseという日が1年で1日あります。カナダの保護者の方とお話する機会があったとき「日本と比べて、学校で子供達が何をやっているか見えてこない」とつぶやいていました。私が日本で働いていた小学校は、個人面談が年2回、保護者会は年3回、授業参観は年3回(1週間丸々授業公開日なんとことも)あります。子供が何をどのように学習し、今どのような状態なのかを親は把握しやすい環境ではあるなと感じます。

④宿題を通して復習することができる
カナダの学校では、ノートではなくプリント学習がほとんどです。プリントはファイルにとじて学校に置いておきます。教科書もすべて学校に置いています。なので、家で授業内容を振り返ったり、親が子供の学習内容を細かく把握したりするのは難しいと感じます。宿題は、授業内で終わらなかった課題が基本的に宿題となります。日本では、算数ドリルや漢字ドリル、音読などが宿題で、授業中の課題とは別の物が常に出ます。カナダに比べて量は多いですが、家で復習することができます。親も子供の進捗状況を把握することができます。

⑤技術を学ぶ教科が多い(家庭科・図工・体育)
カナダには小学校の段階で家庭科がありません。図工は基本的に絵を描く学習が多いです。体育は、バレーボールやテニスをやる時期がありますが、ドッジボールなど、休み時間の活動を延長をしているような遊びの内容が多いです。しかし、日本では小学生の段階から、技術的なことを学ぶことが多いと思います。家庭科では調理実習・裁縫、図工では糸鋸や彫刻刀、体育では跳び箱・鉄棒・走り高跳び・ハードル走・プールなど様々な経験を子供の時からすることができると感じます。

⑥9×9までのかけ算の覚え方
カナダは特にかけ算を唱えて覚えるような作業はありません。そのためか、Grade5の子でも手を使って掛け算を解いている子やイラストを描かないと解けない子もちらほらいました。日本では2年生の段階で、とにかく掛け算を唱えて暗記しますが、割り算や筆算など今後の学習をスムーズに行うためにも必要なことなのだと改めて感じました。

⑦持ち物の決まりが厳しい
日本の方が持ち物の決まりが細かく、厳しいです。しかし、学習に集中する上で持ち物の決まりは重要なのだなと感じました。カナダはある程度の決まりはありますが、日本に比べれば自由だなと感じます。ただ、その分、授業中にねり消しで遊ぶ子や身に着けてきたネックレスをずっと触っている子などもいました。

⑧掃除・給食
カナダの先生方に「日本は掃除があるんでしょう?」とよく聞かれました。日本の子供達が学校内を掃除することは広く知れ渡っているのかもしれません。掃除をすることで身の回りをきれいに保とうとする意識をもたせることできます。また、給食を通して、食育できるのは日本のよい面だと感じます。カナダにも毎週金曜日、Hot Lunchというものがありましたが、ピザやフライドポテト、タコスなどが配達されてきて、脂っぽい食事に驚きました。

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