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2023年10月

  9月中旬よりフィンランド、Kuopioでの研修が始まり、約1ヵ月半が経過しました。その間に感じたこと、体験したことを報告させていただきます。

 まずは先生方の働き方、職場環境についてです。職員室は、机や書類が並び授業準備等を行う部屋と、ソファが並びコーヒーを飲みながらリラックスできるスペースに分かれています。リラックス空間は、多くの先生方が談笑しながらコミュニケーションを取る大切な場であるということを日々感じることができます。先生方は研修生である私を温かく迎え入れてくださり、いつも気にかけてくださいます。担当教科に関係なく、すべての先生が当たり前に英語を話されることに驚きました。先生方は、基本的に担当授業までに出勤し、授業、やるべきことを終えると帰宅するため16時にはほぼ職員室が空っぽになります。帰宅後や週末など、自分の好きなことのために使う時間が日々の生活において大切だとおっしゃっていました。まさにワーク・ライフ・バランスを実現しているなと感じます。

 続いて、授業についてです。授業は5学期に分かれており、生徒は各学期で自分の受けたい教科を選択し登録します。そのため、生徒も自分の授業時間に合わせて登校し、終われば帰宅するため日本でいう大学生のような印象を受けました。教科を問わず様々な授業を見学させてもらっていますが、どの授業にも共通していることは、生徒の主体的な活動が中心であるということです。1クラス75分授業ですが、生徒たちはその時間のトピックに基づき、多くの時間をグループワーク、調べ学習、課題などに費やします。生徒達が自分で考え、活動する時間を大事にしているということがわかります。また、自分の考えや意見を表現することについても1年生の初期段階から学んでいます。表現、発表方法についても、ゲーム作成やプレゼンテーション、パワーポイントの作成など様々です。生徒が自主活動に取り組む際には、教室外の好きな場所で行ってもよいという自由な雰囲気も見てとれます。先生方は、知識を教えるのではなく、生徒達の主体的な活動をサポートし、導いていくという姿勢を大事にしているのだということを、どの授業からも感じ
取ることができます。

 今後も、日本との共通点や相違点について感じ考えながら研修を続けさせてもらいたいと思います。
2023年9月初旬からアイルランドのコークという町にあるCork City Librariesで研修をさせていただいています。

私がアイルランドにやってきたのは2023年7月末で、研修プログラムとは別に、個人的に1カ月ほど首都・ダブリンにある語学学校に通いました。

前段として、研修が始まる前のお話を少し書かせていただきます。

語学学校に通っていた期間は、ホームステイ先に滞在し、英語を学びつつ、語学学校のクラスメイトと交流したり、ホストファミリーや語学学校の先生からアイルランドで生活する上で知っておいた方がいいこと等を教えていただきました。

英語と全く関わりのない生活を長らくしていたので、この期間に英語での生活やアイルランド英語の独特なアクセントに少しでも慣れることができたのはとてもよかったです。

語学学校を修了し、いよいよ研修を目前に控えた8月末、ダブリンからコークへ引越をしたのですが、家がなかなか見つからず苦労しました。

ホストファミリーからは、今アイルランド全土でハウス・クライシスが起こっている、家を探すのは難しいし、外国人を狙った詐欺や犯罪が横行している、と聞きました。IIP様にもご助力いただきつつ、ホストファミリーや語学学校の講師にアドバイスをもらって家探しをして、研修が始まる7日前に家が決まりました。現在はひとりで一軒家に住んでいますが、今後シェアメイトが増えるかもしれません。

ホストファミリーや語学学校で知り合った友人たちとたまに連絡を取りつつ、コークでの暮らしを楽しんでいます。

さて、私が研修をしているCork City LibrariesはCity Libraryを中心に据えた9つの分館がある市立図書館です。City Libraryには、Children's and Teen's Library、Rory Gallagher Music Library、Reference Library、 Local Studiesが含まれています。

私はCity LibraryのCataloguing sectionとRory Gallagher Music Libraryに所属しています。現在の主な仕事は、CDやレコードの書誌情報の更新、展示準備、ソーシャルストーリーの作成です。また、12月に館内でクリスマスソングを演奏することになったので、本番に向けて同僚と練習をしています。

みなさんとても親切で、質問にも丁寧に答えて下さります。休憩時間が多く(朝の休憩、昼食休憩、午後の休憩とあります)ゆったりと仕事をしていて、職員同士の交流が盛んです。

コークの方々はとても早口で、アクセントも独特です。もうすぐ研修を始めて2カ月経ちますが、やっと慣れてきたところです。 

これまでの研修で、日本の図書館の遅れを感じる場面が多々ありました。

こちらの図書館では、全ての資料はRFIDで管理されています。アプリ上で蔵書検索から予約までできて、アイルランド国内の図書館であればアプリ上から相互貸借の申し込みもできます。

資料の貸出・返却は専用の機器を使って利用者自身で行い、カウンターでは利用に関する質問のみ受け付けています。予約本の受け取りについては、一部の館はまだカウンターでの受け取りになっていますが、ほとんどは予約取り置きコーナーに置いてある資料を利用者が持っていくスタイルになっています。

また、社会的マイノリティに対する配慮、SDGsへの取り組み、自閉症の子どもたちへのサポート等、様々な取り組みを積極的に行っています。公共の施設として私たちが取り組んでいかなければならない課題である、という意識が職員の中でしっかり共有され、根付いているように感じました。

私が日本で研修前に働いていた図書館はとても忙しい職場でした。しかし、ほとんど同じ業務、むしろイベント量や取り組みの多いこちらでは、働き方にかなり余裕があるように見えます。ITを活用している、という点は大きいと思いますが、引き続き研修を通してどのような工夫がされているのか学んでいきたいと思います。

IBプログラムは教科書がなく、教科も分かれていません。子どもたちはノートやプリント、iPadを使って学習します。6つのテーマ「Who we are私たちは誰なのか」「How the world works世界はどのような仕組みになっているのか」「How we express ourselvesどのように自分を表現するのか」「Where we are in place and timeどのような場所と時代にいるのか」「Sharing the planetこの地球を共有するということ」「How we organize ourselves私たちはどのように自分たちを組織しているのか」を様々な場面で追及していきます。

時間割の中にUOI(Unit of Inquiry)という時間があり、テーマに沿って芸術につなげたり、社会的な内容を学んだりします。Grade4のArt分野のUOIでは、マインドマップを見ながら、自画像でアイデンティティの側面を表現する活動を行っていました。画用紙を縦半分に分けて、片方は鏡を見ながら顔半分の似顔絵を、もう片方は自分を構成する様々なものを描いていました。

また、音楽分野のUOIの時間では、自分の音楽づくりをしていました。iPadで「BeatBot」というアプリケーションを開き、そこに自分のイメージする曲の説明を入れます(明るくて楽しい、正義の戦い、ヒップホップ、美しい自然、家族を愛しているなど)。すると歌詞もメロディーも自動で出来上がります。子どもたちは、言葉を入れ替えながら納得する音楽にし、テーマに沿ったタイトルを入れて完成させていました。

国語的なUOIでは、物語をつくっています。本の読み聞かせから登場人物の気持ちの変化をとらえたり、短い話から何を伝えているのかを読み取ったりする活動を挟みながら、一から物語づくりに取り組んでいます。こちらもノートに書いたマインドマップを常にそばに置きながら下書きをして、最終的にはiPadを使って本に仕上げるそうです。バーチャル機器を使った授業もあり、こういう教育を受けた子どもたちはどのような大人に成長していくのか、ということを知りたくなりました。


私がいるのはHjoというヨーテボリから車で1時間半ぐらいのところにある小さな町です。私はここの中学校で研修をしています。
日に日に寒くなり生徒たちの中には風邪をひいて欠席している子も出始めました。

学校は8時に始まります。時間割も決められたものではなく生徒の選択で各教室に行って授業を受けるスタイルです。生徒は何も持たずに登校します。授業に必要なものはタブレットだけです。必要なものはすべて学校に備えられており,すべて無料です。(スマホは,授業中先生が預かっています)
ここスウェーデンではスマートフォン,ラップトップがないと生活できません。(電車にも乗れません。)先生もラップトップを持って授業に行きます。

Hjoでは特別支援教育に取り組んでおり,町内の様々な立場のボスが集まる会議や,校長たちの会議,また,いろいろな機関と連携をするミーティングにも参加させてもらいました。
先生たちも一人一人に合ったきめ細かい教育をするべく研修をしたり,一人一人の生徒を先生やサポートスタッフが共有したりする小さなミーティングをいつもしています。もちろんスウェディッシュフィーカ(ケーキやお菓子と一緒のコーヒータイムでスウェーデン人には最重要)をしながらです。

ここでの校長先生は教師ではありません。これにはびっくりしました。ここでのプリンシパルは日本でいう校長先生とは全く違い,学校や先生たちをまとめる(日本の校長とは異なる)代表取締役?みたいなポジションのように思います。ビジネスっぽいのです。ですから町内の学校の予算のことや施設,人事など重要事項に常に関わり子供たちや先生方のために奔走されています。常にお忙しくされています。

日本語や日本文化を教える授業はこれまでに3回行いました。毎週火曜日の一単位時間で,生徒は自由に来ることができる時間を設定してもらっています。
1回目は日本の概要や簡単な日常会話の練習をしました。日本のことをよく知っている生徒もおりましたが,知らなくて興味を持ってくれた生徒もいます。校内で会うと「こんにちは」と挨拶してくれる生徒もいます。私は逆にスウェーデン語で返し,生徒に発音を確かめてもらったりしてコミュニケーションをとっています。

2回目は日本の食文化についてレクチャーやクイズなどして,その後箸の使い方を練習したり,キャンディを箸でつかむゲームをしたりしました。最近この町にも寿司レストランができたので箸を使くうこともよく知っていて上手に使う生徒もいます。
3回目は書道に親しみました。生徒の名前をカタカナで表記しました。生徒はそれを見ながら水半紙に水で練習しました。漢字にも興味を持つ生徒もいて,次は実際に墨で書きたいという生徒もいました。

やりたいことは何でも言ってくださいと校長に言われているのでいつも相談に乗ってもらっています。4回目の授業の後,再来週から一週間,生徒は秋休みになります。火曜日には楽しい企画をして,その後の秋休みを楽しんでもらいたいと思っています。


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