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スウェーデンでの暮らしも2ヵ月目ともなるとすっかり慣れてきました。毎週火曜日の日本語クラスも順調に授業が進みました。
10月24日は簡単な茶道を体験してもらいました。日本から持って行ったお干菓子は美しいし、ハロウィンなど季節感のあるお干菓子だったので人気でした。このお菓子はどこで買えますかと聞いてくる生徒もいました。お抹茶でお薄を点て、器型の紙コップで試飲してもらいました。初めての人の感想が気になりましたが、概ねおいしいという感想でした。実際にお薄を点てる体験がしたい生徒には体験をしてもらいました。茶筅の扱いやお湯の温度、器の形状などのせいか、泡だてるのは難しいようでした。

10月29日から11月の1週目は学校の秋休みになります。また、この日から冬時間になりました。先生たちは初めの2日間は研修会があるので出勤しておられましたが先生たちは水曜日からが休暇です。
休暇は明けたのですが校長先生は風邪をひいて寝込みました。学校内も生徒も先生も風邪とかコロナで休んでいる人が多くなりました。しかもマスクをしている人は一人もいません。

11月最初の授業はヒロシマと原爆の子の像、そして折り紙での折り鶴の作成です。毎日のようにウクライナやイスラエルの戦争についての報道があるため生徒も今回の授業は関心を持ってくれました。ヒロシマ、ナガサキのことをよく知っている生徒もいました。
授業ではなぜ折り鶴が平和の象徴なのか、さらに千羽鶴を折ることの意味を原爆の子の像の由来とともに話しました。同じ年頃で原爆によって亡くなった佐々木禎子さんに思いをはせ、平和を祈りながら折り鶴を折ってくれました。
単に折り紙の折り方をレクチャーするだけでなく折り鶴の意味を教えることで平和への思いを新たにしてくれました。「みんなが折った平和への願いがこもった折り鶴を原爆の子の像に持っていくよ。」と話すと折った折り鶴に自分の名前を書き込んだり、平和への思いを書いたり、たくさん折りたいから紙をくださいという生徒もいて嬉しい限りでした。千羽には届かないかもしれませんが何かの形にして持っていきたいと思っています。

校長に続いてホストブラザーそして私も風邪をひきこの週は一週間休まなければなりませんでした。しかし何とか回復し、月曜日からは学校へ行くことができました。早速火曜日から授業でしたが大きな声で話すこともできないので日本の伝統的な玩具で活動してもらうことにしました。
お手玉、紙風船、けん玉、独楽、福笑いや紙相撲などやり方を動画で見せて全種類を体験できるように譲り合いながら体験してもらいました。一番の人気はけん玉です。私が勤務する広島の廿日市市はけん玉の発祥の地とされていて毎年けん玉ワールドカップが開かれています。その時の様子を動画で見てもらうと、高度なテクニックでけん玉を操る様子を、関心を持って観ていました。 
終わりには、日本のじゃんけんのやり方を教え、私に勝った人から関心のある玩具を持ち帰ってもらいました。人気は紙風船でした。今回の授業は活動が主でした。活動させることによって日本により関心を持ってくれると思いました。

生活が慣れてくるにしたがって、もっとスウェーデン語を勉強しておくべきだったと後悔しています。今までは様子を見たり、授業を見学したり、自分の授業は英語でしたりすることで事足りていました。もちろん先生方も生徒も英語で話しかけてくれたり、私も英語で返答したりしてはいますが、もっと踏み込んで先生方の中に入り、先生方の話や、生徒たちが話す生の声を聞き取るにはスウェーデン語が理解できなくてはならないと痛感しています。スウェーデン語はあいさつ程度しか練習していなくて、英語が通じるということに甘えていました。現地の言語をある程度勉強しておくことも必要だったと感じています。


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