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今回は様々な取り組みの中で最も興味深かったチームプログラムについてご報告します。このプログラムは、1st grade の生徒たちが第2学期に取り組む教科横断型の課題です。毎週1つのテーマが提示され、生徒たちはチームごとに1週間で課題を仕上げていきます。

その中の1つとして、現在の学校のロビーをより快適な環境、空間にするための案を作成するという課題がありました。発表方法としては、ポッドキャストでコンセプトを発表、デジタルポスターで図案を提示しながらプレゼンし、最後に英語で簡単にポイントを説明するという流れでした。初回の授業では、実際にポッドキャストを聴きながら「伝え方」を学び、次に事前に用意された複数のコンセプトから現実的なものと興味深いものを3つずつ選び出すという作業に取り組んでいました。生徒たちが具体的に何をするべきなのか、導いていくための工程がしっかりと準備されていることがわかりました。使いたいソファや机、椅子等の家具についても生徒たちが選択し、その工程においては実際にフィンランドの家具会社の方が来校して、カタログを見せたり説明を加えたりしていました。発表はクラスごとに行い、最も素敵だと思った案に生徒が投票してクラスの代表案が選ばれていました。最終的に選ばれたグループの案に沿って実際にロビーが改修されるということで、生徒たちも楽しそうに取り組んでいました。

その他に、News report videoを作成するという課題もありました。ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』の話をベースに、グループごとに1つの出来事を取り上げ、その内容についてのNews report video を撮影、編集して完成させるという内容でした。また、半分のグループはfake newsとして動画を作成することになっていました。グループごとに様々な工夫が見られ、動画撮影のために衣装や小物を用意したり、登場人物や動物になりきってインタビュー場面を撮影したりしていました。インタビュー場面の撮影においては、一部英語で会話をするというルールとなっていました。

研修が始まって間もない頃、3年生の国語の授業を見学させてもらいました。その授業のトピックは討論のやり方ということで、生徒たちは先生が提示したテーマに基づいて自分自身の考えを書き、発表し意見を述べるということをとてもスムーズに進めていました。私は授業担当の先生に、なぜ生徒たちはこんなにもスムーズに自分の考えを発表することができるのかと質問してみました。その返答は、1年生の初期に取り組むチームプログラムを通して生徒たちは自分の意見を述べたり発表したりすることに慣れていくということでした。実際にチームプログラムを見学させてもらい、納得する部分がありました。チームで1つの課題に取り組むためには、自分の考えを伝えたりお互いの意見を交換したりすることが必要となります。また、様々な発表方法や表現方法を身につけることにも繋がります。どの授業においても生徒の主体的な活動がメインとなっていますが、今回のチームプログラムがベースとなっているということがわかりとても興味深かったです。


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