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2024年7月

私は元々日本の特別支援学校で働いていたため、フィンランドのインクルーシブ教育に焦点を当て学ばせていただいています。

研修校では基本的に4年生のクラスに入り、授業を見学させていただきながら、時々1~4年生または支援クラスで日本文化を紹介する授業を行わせていただきました。日本文化について紹介する授業では、日本の紹介動画、折り紙や日本の昔話、日本の読書習慣についてなどを、図工や国語、文化週間、母の日のメッセージカード作りなどの機会に紹介させていただきました。

日本文化を紹介する授業や授業見学を通して、子どもたちの学習意欲の高さに驚きました。どの授業でも子どもたちは疑問に思ったらすぐに手を挙げ、質問をします。分からないことについての質問だけでなく、学び方の提案をする子どももいます。(例えば、個人ワークではなく、グループワークがしたい。教室ではなく、廊下の学習場所で学びたい。など)。教員は子どもたちの質問や提案を受け入れることもあれば受け入れることが難しい場合はきちんと理由を説明して伝えていました。どのクラスでもいつでも質問や意見を受け入れる、意見を伝えることを励ますようにされていることが、子どもたちの意欲的な態度につながっているのだと感じました。

インクルーシブ教育については、通常のクラスの中でも、動きたい子のためのバランスチェアや周りが気になる子のための衝立、柔軟な支援クラスとの行き来など、最適なサポートが提供されています。また、支援クラスと通常クラスの教員は密に連携を取り、その子の状態に応じて柔軟に学習グループやサポートの方法を変えることができる環境が整っています。面談やメール連絡で保護者との連携も欠かしません。サポートスタッフも充実しています。

子どもたちがリラックスして快適に学びに取り組める環境を整えること、学びを強制せず、主体的な学びを大切にすること、教員も休み時間には職員室(日本の職員室のようにデスクやファイル、書類にあふれた状態ではなく、ソファーとコーヒーとお菓子があるリラックスルームです)でゆっくりと互いに話をすることで児童や授業の情報を共有し連携を取ることなどを通して、学ぶことが楽しい、自分から学びたいという気持ちを育てているのではないかと感じました。今後も研修を通してさらにフィンランドの教育についての学びを深め、日本で実践できることを探っていきたいと思います。

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