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2020年02月17日・J・ 海外教育交換プログラム , 20代 , カナダ
時が経つのは早いもので、先週で10ヶ月の研修期間が終わりました。
こちらでは小学校の卒業式はなく、定期的に行われていたassemblyで1年を締めくくりました。assemblyでは各クラスの写真がスライドショーで映し出されたり、6年生がカップソングやダンスを見せました。最後ということで多くの保護者の方々も来られ、体育館は大勢の人で埋め尽くされていました。そんなassemblyの最後に、私は校長先生に名前を呼ばれ前に出てくるよう言われました。そして、担任の先生からお礼のスピーチと子どもたちからカーネーションの花束のプレゼントを受け取りました。そして大勢の子どもたちが寄ってきてハグをくれ、温かい拍手に包まれました。私は幸せで涙が止まりませんでした。

この10ヶ月、色々な不安に立ち向かったり、自分自身とたくさん対話してきたように思います。そして、学んだことがたくさんあります。

私はこの研修に参加するために教員を退職しました。私の働いていた県では休職制度が適応されたなかったからです。そのため、研修前は無収入になることに不安を感じていました。それは、少なからず収入が私のモチベーションにもつながっていたからです。けれど、この研修に参加して気づきました。私が頑張れる源は人から必要とされることでした。子どもたちや先生から「次はいつ私のクラスに来てくれるの?」「次のプレゼンはいつ?」「来年もいて欲しい」などと言ってもらえることが私の喜びでした。そして、周りの人からたくさんの喜びをもらい、その期待に応えよう、もっと喜んでもらえるようにという思いで、最後まで全力で頑張ることができました。

そしてもう1つ学んだことは、この研修で一番大切なことは言語ではなく、自分が何を伝えたいかであるということです。assemblyでの担任の先生のスピーチの中にも、「文化が違っても、どんな言葉を話そうと...」というフレーズがありました。確かに私の語学力はまだまだ未熟でしっかりとしたコミュニケーションのためには不十分です。それでも、こうして子どもたちや先生たちと絆をつくることができました。きっとこの研修で参加者各々に必要とされるのは、何を伝えたいかという思いだと思います。語学力は、その思いがあれば必ず周りの人が手助けをしてくれます。私は研修を終えて、自分の思いは言語に関係なく人に伝わるものだと学びました。

そして今、研修に参加すると決めたあの時の私の決断は、間違いでなかったと確信しています。
こんなに素敵な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

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