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イギリスの中学校での研修が始まり2週間が経ちました。

トリニティースクールは日本の中学校に似ている感じの雰囲気で、教室移動は並んでいく、集会へ行くときは言葉を発しない、集会中は顔を上げて話を聞くなど厳しく指導されている印象です。

初日に校長先生が「校内で見かけたらセンセイと呼んであいさつするんだよ」と僕を紹介してくださったおかげで、日本の学校かと錯覚するくらい「ハーイ!センセイ」と声をかけてくれます。お辞儀をしてくれたり、コンニチワと言ってくれる生徒もいたり教師に対しての敬意を感じます。

①学校の様子
先生方はネクタイ着用のオシャレな正装で授業をされていて、さすがイギリスの学校だなと感じました。また、生徒が教室に入室する際、教員が全ての生徒と握手をして挨拶をかわすというこだわりぶりには感心されられました。(思春期の生徒がよく嫌がらないなと不思議でもあります)。

遅刻や忘れ物、態度についての生活指導も厳しく、昼休みや放課後に主任の先生と話をしている様子をよく目にします。(叱るというよりは改善策を生徒に寄り添って考えている様子)全教室にプロジェクター&ホワイトボードが設置され、先生方は全ての授業やホームルームのパワーポイントを準備しています。

配布物もほとんどなくホームページ上で各自チェックするというスタイルなのでペーパーレス化も進んでおり仕事もシンプルに感じます。宿題ですらホームページのマイページに掲載されます。

②驚かされる道徳教育
公立校でありながらミッションスクールなのですが、宗教教育・道徳教育は日本と大きく違っており、本当に驚きました。礼拝という名の全校集会やイギリスの学校ではメジャーなハウスシステムと呼ばれる学年の壁を越えた縦割りの集会は毎週あるわけですが、そればかりでなく、毎日のホームルームの時間でも、生徒を勇気づけたり、自らの将来について考えさせたり、今現在世界中で起きている問題について考えるなどの、人間としての在り方を毎日シャワーのように浴びています。

特に金曜日は上級生が下級生の教室に出向き道徳教育をするという、非常に革新的な取り組みにも驚かされました。教科教育を越えた教員の本来あるべき姿について痛感させられています。特に日本は来年度より道徳が教科化されるわけで、言動の一つ一つから人間の生き様がにじみ出るような教員像を目指さないといけないのだと心から感じました。ちなみに毎時間の授業で用意された聖書のフレーズを生徒が読み上げるという取り組みも効果的だと感じています。

③数学の授業
イギリスにはGCSEという義務教育終了時の全国的なテストがあり個々の将来を大きく左右します。なのでそれに向けて頑張っているという様子で、GCSEという言葉は毎日耳にします。カリキュラムが前後しているのもあり、11歳で平方根を知っていたり、12歳で小数の掛け算割り算のひっ算の練習をしていたり、色々と疑問に思う点は多いのですが、日本の高校入試に向けた勉強はハイレベルなのだなと感じました。

ただ、大きく違っているのは生徒が授業に向く姿勢です。斜に構えている日本の生徒とは異なり、本当に楽しそうに授業を受けています。塾に行っている生徒が少ないのもあると思いますが、授業1時間で多くの事を吸収しているように感じます。クイズ形式の授業や実社会で使える問題を取り入れたりと先生方が工夫されているのもあると思いますし、何より自尊感情が高いのかなと感じます。

ちなみに生徒は教科書をもっておらず、教員が準備したパワーポイントをノートに書き留めながら授業が進んでいます。教室備え付けのエクササイズブックで練習問題を解いたりすることもあります。

④ジャパニーズクラブ
週に1度水曜の放課後ジャパニーズクラブの活動を行っています。顧問の先生は日本に住んでいたことがありオーストラリアで日本語指導の経験もある方なので、生徒はひらがなを何とか読めると言ったレベルです。アニメなどから日本に興味を持っている生徒が多いのでこちらもやりがいを感じます。

今週は日本の服装についてプレゼンテーションを行い、その後日本から持っていった浴衣と甚平を生徒が着るという活動を入れてみました。お土産にたくさん買っていった100円ショップの扇子も喜ばれました。今後は日本語の指導、折り紙、書写、お好み焼きを作るなど準備を進めます。IIPさんからいただいた本が本当に役にたっています。


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