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2016年01月03日・S・ 20代 , カナダ , 海外教育交換プログラム
こちらの学校では子どもたちが劇や歌を歌うクリスマスコンサートがありました。校長先生が日本の歌も歌うのはどうかと提案してくださり、昼休みに希望者だけ集めて、日本の歌の指導をしました。曲はリズムも繰り返しだし、いろんな言語でカバーされている「上を向いて歩こう」にしました。

練習が始まる前、歌詞や楽譜は全部ローマ字で作り直し、歌詞の意味も理解させるために、数年前にオリジナルに近い意味でカバーされた英語バージョンを聞かせる準備をしていました。しかし、練習初日、集まったのは8人だけでした。ここから私のカナダに来て最大の試練が始まりました。次の日校長先生にもう少し人数が欲しいことを伝えたら呼びかけてくれて20人以上になりましたが、日本語バージョンを聞かせると、「意味が分からない。」「やっぱり外に遊びに行っていい?」と次から次へと子どもたちが言ってきました。残ったのは結局10人程度。10人でも来てくれた子たちのためにと思って練習をしましたが、「上を向いて歩こう」の1フレーズですら、なかなか覚えられませんでした。結局90%英語、10%日本語で歌ように変更しました。

しかし、それでも本番1週間前になってもほとんどの子が歌詞を覚えてきませんでした。毎日数人ずつ練習に来ず、メンバー全員そろっての練習はできませんでした。練習に来ている子でも、一度歌っただけで「疲れた。」と言っていました。みんな外で遊んでいる時間に練習するのは難しかったです。それだけでなく、練習中にふざけたり、真面目にしている子たちの邪魔をしたりする子もいて、その子への指導にも時間がとられました。このままでは人に見せられるものではないと毎日焦っていました。でも、焦っても仕方ない。「できたところまででよし」と思って、せっかくなら楽しもうと思いました。歌っている姿をビデオに撮って子どもたちに見せたり、少しでもよいところを褒めたりしながら、最後は子どもたちがこの歌を好きになって楽しんで歌ってくれたらいいなと思って指導しました。

英語でうまく指導できないせいもあり、思うように指導できませんでしたが、コンサートでは子どもたちは笑顔でベストを尽くしてくれました。たくさんの先生や保護者に「とてもよかった」「あの曲はコンサートの中でもおに入りの曲だ」「がんばったね」と声をかけてもらい、頑張ってよかったなと思いました。

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