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ロンドンでの語学学校生活も終わり、イギリス中部のゲインフォードで小学校の実習が始まりました。総生徒数93名という小規模の学校ながら創立約150年となる歴史ある学校です。各学級が2学年一緒のため、一斉指導はとても大変そうでした。イギリスは最近、日本でいうところの学習指導要領がまとまったため、それを参照して指導が行われていますが、この学校では日本のように教科書がなく、担任が各グループの実態に応じた課題を作成して、指導をしています。イギリスにしては意外だと思いました。また、公立学校にして英国教会の管轄であることから、朝会では賛美歌が歌われ、ちょっとしたお説教の時間もあります。日本の私立のような指導が公立で行われている感じに少々の違和感がありました。

メインは特別支援教育でのインターンを希望しているのですが、特別支援学級はなく、普通学級に支援を要する児童が在籍しています。そのため、個別及び少人数の取り出しの授業が平行して行われています。2学年が1学級にまとまっていると大変な面も見られましたが、年上の児童が時に授業ではいいモデルになったり、絶対的な年齢差から嫌味なく年下の子にわからないところを教えたりリードしたりしてあげられることは大きなメリットではないかと感じました。

また、校長先生が1人1人の子どもの名前をしっかりと覚えていて、挨拶のときも名前を呼んで応じていたり、中休みや給食の時は校長先生と輪番制の担任が子どもの管理をして、ほとんどの担任は休憩が保障されていました。きっと日本とは校長先生の業務はかなり違うのであろうと察することができましたが、子どもの実態がよくわかっている校長先生はいいなと思いました。

休み時間は学年が離れていてもサッカーをしたり鬼ごっこをしていたり、給食は食堂で低学年から席が埋まっていくので必然的に高学年は空いている座席で食べるようになっているので年齢差があっても関わりがとても自然です。日本にも縦割り活動や交流等を行っていたりもしますが、活動という形で括るよりは子どもたちの自主性や自然の成り行きに従ったほうが無理がないんだなと感じました。学校からの強制力が働くと子どもの抵抗力も出てきてしまう...子どもの興味・関心をくすぐってそこから一歩引いて見守ってあげられるような活動にしてあげられているところがこの学校のうまくいっている点ではないかという印象を受け、毎日とてもいい勉強になっています。

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