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2014年05月29日・Junko Tanaka・ 20代 , カナダ , 海外教育交換プログラム
 ある子どもが、「私、昨日の夜にBBQをして、お父さんとたくさん話をしたよ。Junkoが日本の地震のことや原子力発電のことを教えてくれたでしょ?それから授業で読んだHIROSHIMAの原爆のことや化学記号のことをたくさんお父さんと話し合ったよ。すごくいい話し合いだったんだよ。」と、にこにこしながら私に話してくれました。
 この地域は、オーストラリアの様に日本についての学習が必要とされているわけではありません。でも、私は縁あってこの地域に来ることができました。なので、私は授業をするときに、「できるだけ子どもたちが楽しめるといいな。日本に興味を持ってもらえるといいな。いつか、この記憶が役に立つときがくるといいな。」と思って授業を作っていますが、きっと子どもたちは、授業で私の話を聞きそれで終わってしまうだろうと、その後の成果には期待していませんでした。なので、今回その子どもの話を聞いて、私はとても嬉しかったです。
 特にこの子どもの場合は、サイエンスフェアのメンバーにも選ばれていることもあって、そのような内容が家でも話題になったのかもしれません。けれど、家でも話題にしてくれるほど、自分のプレゼンが子どもに響いたのかと思うと、自分の今の活動にやりがいを感じずにはいられませんでした。
 ここは日本人もほとんどいない地域です。己惚れるわけではありませんが、もし私がこの町にに来ていなければ、もし私がそれらのプレゼンをしていなければ、その子はそれらの話に興味を持たなかったかもしれません。この地域ではアジア人は「異人」でしかないと言われたこともあります。そういう目で見られることを少し寂しく思うことも時にはありますが、私にしかできないことがあるとも思います。私がこの地を離れても、子どもたちの中に何か残せるよう残り2か月も頑張りたいと思います。

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