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2013年10月07日・Kuri Niikura・ 30代 , アメリカ , スクールインターン
アメリカへ来て1か月が過ぎ、研修も残り1か月を切りました。
やはり、1か月は区切りのようでここへきてようやく、日々の生活に関しても学校生活に関しても、様々な壁を超え始めた気がしています。

私は先月、主に学校生活についてとても悩んでいました。学校での日本文化の授業は自分自身で先生方から取り付けなければならず、説明と申し込み用紙を配布したのですが、返信は2~3通あったのみで思ったほど授業予定が入りませんでした。
週に2~3回授業がある程度でその他は空き時間となりましたが、こちらの小学校では職員室のようなものはなく、どこにいて何をしていたら良いか分からず、一日が長く感じられて、かなり戸惑っていました。また返信が少なかったこともこたえ、完全に受け身になり、コミュニケーションに関しても壁を感じていました。
数週間後、奮起して自分自身のことを知ってもらう自己紹介レターとともに再度、授業受付の用紙を配布しましたが、効果ゼロでした。
あれこれ思案しての結果だっただけにとても落ち込みましたが、残り1か月をこのままではいけないと思い、これまでに一度も反応がない先生のクラスに片っ端から訪ねに行きました。
そうしたところ、ほぼ全員が「Sure, absolutely!!」と。何人かの先生からは「もし、良ければ何回か日本文化の授業やってもらえる?」という反応でした。
「レターは一体...」とあっけにとられましたが、すごく嬉しかったです。
同時くらいに、思い切って担任の先生にも相談してみました。「学校での過ごし方について困っています。授業の無い時間をいかに過ごせば良いか分からなくて。」
「残り1か月なので、どうかもう少しコミュニケーションを深めたい。」と素直に私の感情を伝えました。正直、子供供たちとはコミュニケーションはとれていると感じてたのですが、子供、先生方含めたニュアンスで伝えました。

先生は私のことをとても気の毒がってくれて、心配してくれました。そして、次の日の先生同士のランチの時間に働きかけてくれたようでした。その放課後、一人の先生が私に授業を申し込んでくれました。私は即座に担任の先生にお礼を言いました。授業が増えたこと自体より、担任の先生が働きかけてくれたことがたまらなく嬉しく思えました。

この二つの成功体験を機に私の心持ちも劇的に変わりました。
(学校で)常に感じていた孤独感が一気に薄れ、自分からコミュニケーションをとれるようになりました。私自身のかかわり方が大いに影響していたのだと...

見学している際もクラスでも邪魔をしてはいけないと、隅で存在を消すようにしていたのですが、積極的にクラス内を歩いて回り、アドヴァイスをしたり、コミュニケーションをとって関われるようになりました。また、担任の先生も今まで以上に雑用や用事を頼んでくれ、他の先生方もすれ違いざまなどに以前より声をかけてくれるようになり、学校での一日が早く感じられるようになりました。

日本文化の授業の体験以上に大事なことを学んだ一週間でした。
担任の先生や校長先生はとても良い方で私にも良い感じで接してくれますが、この国で以心伝心は通じません。授業がなくどうしてよいか分からずにさまよっていても、誰もどうも思ってくれません。ただ、こちらが素直に気持ちを相談し、頼るととても親身に動いてくれます。アメリカでは積極性の大事さ、何より素直にありのままの気持ちを言うことがいかに大事かということを痛感しました。日本でも自己主張が得意ではない私には相当高い壁でしたが、良い勉強になりました。

実際の授業では折り紙をはじめとして、書道や着物体験、日本の歌などを教えました。アメリカの子供たちにとって日本のものは何もかもが新鮮なようで、毎回とてもCheerfulかつDirectな感情を表してくれます。本当に素直にぶつかってきてくれる彼らがとてもいとしく思えます。書道は低学年には厳しいと聞いていましたが、マネジメント法や工夫次第で可能だと思いました。一つ(何セットか)筆で書くブースを設けてグループごと交代制で展開したところ、小学3年生でも問題なくできました。

その他、家庭生活では休日にdonationパーティーに行ったり、教会にクリスマスの合唱の練習に行ったり、ミュージカルを見に行ったりと休日に退屈さを味わうようなことはありません。本当の家族のように和気あいあいと生活させていただいています。
教会の市民合唱の練習では「メサイア」という本格的な曲を歌う際、音大で声楽を専攻していた私は一瞬スターになったかのような喝采を受け、少し嬉しかったです。

どこか焦って学校生活や家庭生活をきっちりこなそうとしていた私は、ここへきて楽しむことを思い出しました。アメリカ流に楽しみながら研修をこなすべきだと再確認しました。とはいえ、英語力のなさから生まれる誤解や、家庭の中での文化や考え方の違いに驚いたり、日本への間違った認識に落ち込むこともまだまだありますが...
残りの日々を実りあるものにするべく頑張ろうと思います。

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