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2013年10月02日・Tatsuhiko Isobe・ 50代以上 , フィンランド , 海外教育交換プログラム
こちらの先生方は英語がお上手ですが、ネイティブのように英語が使えるわけではありません。ここに来た当初は、どの先生とも躊躇なく英語でお話しができるので、言葉に関しては問題なしと思っていたのですが、最近あるできごとがきっかけで、そうではないと気づきました。

日本での勤務校の先生からメ-ルが届き、知り合いの大学院生が修論作成のためにフィンランドの高校のある教科の先生方対象にアンケ-トをとりたがっているので、協力してやってほしいとのことでした。さっそく英文のアンケ-ト用紙を送ってもらい、訪問校も含めて何人かのその教科の先生方にお願いしたのですが、なるべく早く返事を送りますねという返事は来るのにアンケートの返答は一向に届きません。顔を合わせたときは愛想が良いのにと、教師不信に陥りかけていたのですが、ある日その理由に気がつきました。アンケートは英語の記述式で、あるていどの量の英文を書く必要があり、英語で回答する負担が大きかったのだと思います。はっきりと断りづらいので、出会った時はいつもより愛想よくしてたようです。この辺は日本人と似ているのかなと思いました。

フィンランドの先生方の中には英語を上手に使う方も多く、フィンランド語のできない私と普段は英語でしゃべっていますが、そういえば時々へんな英語を使っていることがありました。こちらではそういう言い方をするのかなと思っていましたが、英語で会議をしていたとき、記録をとっている先生から、わりと簡単な単語のスペルを聞かれたり、この話は英語でどうまとめたらいいのか尋ねられたりして気づきました。先生方は自分が話したいことのうち、自分が英語で言える範囲のことだけを話していたようです。私はその英語しか聞いていないので、当然それが彼らが言いたいことのすべてだろうと思っていました。ヨーロッパ人で英語の話せる人は英語で意思疎通ができるだろうと思っていたのが誤りで、とにかく自分の方が喋るという彼ら特有のメンタリティーが英語をどんどん喋らせていたようです。まずは相手の言うことをよく聞いてから自分の意見を言うという、日本人のメンタリティ-とは正反対です。

ついでに。。。
私が教員用のカフェテリアでコ-ヒ-を飲んでいると、フィンランドのコ-ヒ-はおいしいですか?とよく訊かれました。日本でもフィンランドでもコ-ヒ-豆は栽培できないし、いづれにせよ南米かアフリカからの輸入品だろうから、フィンランドのコ-ヒ-って何のことだろうと思っていました。言いたかったのは、フィンランドのコ-ヒ-は日本のお茶とくらべてどうですか?ということだったようです。日本人はお茶を飲み、コ-ヒ-は飲まないと思っていたようです。後日、私が自分でコ-ヒ-をいれて飲んでいるのを見てびっくりしたと打ち明けられました。

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