[体験レポート]
●国際理解教育推進のために参加(女性 オーストラリア研修)
私は、長年、海外の教育制度に大変興味を持っていました。学生時代のアメリカでのホームステイや社会人になってからの海外旅行などの経験から、海外の人々が自己表現が豊かで、ユーモアに溢れているのを目の当たりにし、このような彼らの気質は教育に秘密があるのではと考え、是非一度海外の学校へ行って現場を見てみたいと思っていました。
その折に日本でも小学校に英語を導入する流れがあったことも合わせ、すでに日本語を第2外国語として取り入れ、カリキュラムを整備しているオーストラリアに一年間インターンとして行くことを決めました。
この一年の経験を基に、現在、国際理解教育を担当しています。日本の教育を客観的に見ることができるようになり、日本の教育の良い面、改善していきたい点がはっきりとしてきました。また、日本の子供たちとオーストラリアの子供たちの交流を行うこともできたので、オーストラリアでの経験が非常に役立ったと思っています。何より、自分自身が、物事に対して広い視野で見ることができるようになったと感じ、大変感謝しています。
●デンマークの教育事情(男性 デンマーク研修)
私がデンマークに来て抱いた感想は、“教育は人を作り上げ、人がその国家を作り上げる”ということです。
この国は、ある最近の調査で、「世界の幸せな国」ランキングで1位になっていて、確かに、人々は概ね、幸せそうに生活しているように見受けられます。一方、日本はというと、、、。この違いは、いったい、何なのでしょうか?
私は、この原因の一つは教育(学校教育、家庭教育、地域教育など、様々な意味での教育)にあると、今、思っています。デンマークに来て、日本とは違ったアプローチの教育を目の当たりにしました。例えば、私が研修している学校では、大げさに言うと、子どもが寝ころがって先生の話を聞いていても“しっかりと”“静かに”聞いてさえいれば、先生は特に言いません。でも日本では、きっと多くの先生は、そのような子どもに姿勢を正すように言うでしょう。そして、子どもは、渋々と姿勢を正すけれど話は頭に入っていない、ということが少なからずあると思います。見てくれは悪いが、しっかり聞いているのと、見てくれは良いが、全然聞いていないのとでは、いったい、どちらがいいのでしょうか?
それに関する私の回答を述べるのは控えますが、言えるのは、教育には様々なアプローチがあり得るということです。しかし、私はデンマークに来るまで、日本の教育が“あたりまえ”になり過ぎていて、そこに“疑問を抱く余地すらない”という状態でした。
日本を出ることの意義の一つは、「比べる」作業ができることにあると思います。私たちが、日本の中にいて“あたりまえ”で“疑問を抱く余地すらない”ことについて、「比べる」ことを通して、そこに疑問を抱き、より良いものは何なのかを追求することは、今の日本にとって必要なことだと思います。
これまで、“日本”という国について考えることなどなかった私が、今、どうしたら、より良い日本になるのだろうと模索していることに、自分でも驚いています。そして同時に、私のように、日本を出ることによって、逆に日本について考える人々が増えることを期待してやみません。
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