フィンランドの​理科教育を​見学

この​3月で、​一年間の​研修が​終了する。​フィンランドの​理科教育を​見学し、​その​一部に​携わりたいと​いう​出発前の​目標は​達成され、​大いに​満足している。​徹底的に​少人数化した​環境、​問答形式の​授業、​自学自習可能な​教科書、​データ・公式集持ち込み可の​卒業試験、​専門家に​よる​学習カウンセリング、​これらが​有機的に​結びつく​ことで、​一人​一人の​生徒に​考え方を​理解させると​いう​共通目標に​向けた​毎回の​授業が​行われている​ことが​分かった。

一方で、​実験・観察を​通じた​本物の​体験と​いう​視点で​見ると、​必ずしも​フィンランドの​理科教育が​優れているとは​言えない。​実験室の​設備が​貧弱である​こと、​気候的な​問題から​フィールドワークなどの​実習を​しづらい​ことなど、​原因が​ある。​それでも、​ICTを​活用して​充実した​教材を​使ったり、​近隣の​大学や​高等専門学校と​連携して​レベルの​高い​実験を​したりするなど、​工夫が​見られた。

教員の​生活に​ついては、​教師に​求められている​ことが​担当教科を​教える​ことだけなので、​自分の​時間を​たっぷりと​得る​ことができ、​余裕の​ある​生活が​できている。​部活の​指導や​宿泊行事の​引率が​ない​こと、​進路指導は​専門の​学習カウンセラーが​担当する​こと、​通知表の​所見欄や​指導要録が​存在しない​こと、​校務分掌が​圧倒的に​少ない​ことなどを​見ても、​日本の​教員が​忙しすぎると​感じた。

フィンランドには​私立の​学校が​ほとんどない。​しかし、​それぞれの​学校の​校長や​教員に​学校運営に​おける​決定権が​ある​点で、​日本の​私学に​似ている​側面が​あると​感じた。​基本的に​専任教員の​異動が​ない​ことも、​学校ごとの​多様な​カラーを​出すことに​つながっている。​また、​分からない​ことを​塾ではなく​学校の​教員に​聞くと​いう​当たり前の​ことが​成り​立っており、​フィンランドの​学校が​生徒・保護者から​信頼されている​ことを​少しうらやましく​思った。

一年間​お世話に​なった​研修校とは、​日本の​勤務校との​短期交換留学​プログラムを​開始する​ことになった。​早速、​8月下旬から​8日間の​予定で、​中学生20人を​連れて​再び訪問する​ことになっている。​お互いに​第二言語である​英語を​使って​コミュニケーションを​とりながら、​フィンランドと​日本での​暮らしや​学校生活を​体験する​ことで、​英語が​世界中の​人々を​つなぐ​重要な​言語である​ことを​認識し、​異なる​価値観を​受容する​心と​広い​視野を​持った​生徒が​育つと​信じている。​この​縁を​大切に、​新しい​試みに​挑戦しつつ、​これからの​教員生活を​より​充実させたい。

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