日本研究の​授業

8月中旬から​始まった​新学年で、​日本研究の​授業を​中高で​担当し始めた。​9月末までの​第一学期には​28名の​高校生が​履修した。​ほとんどの​生徒が​初めて​日本語を​学ぶが、​中には​文字が​読めたり、​自己紹介が​できたりする​子も​含まれていた。​最初の​授業で​アンケートを​とると、​多くの​生徒が​日本語の​初歩を​学びたいと​思っているだけでなく、​文化・社会・自然・​流行など​多岐に​わたる​興味を​持っている​ことが​分かった。​そこで、​「Xは​Yです」の​基本文型で​作れる​多くの​表現を​教え、​生徒全員が​日本語で​自己紹介する​ことができるようになった。​合わせて、​夏から​秋に​かけての​日本の​年中​行事を​紹介したり、​そろばん・​書道・折り紙の​体験も​取り入れた。

日本の​勤務校が​9月から​新学期に​なったので、​5月に​引き続きSkypeを​利用した​遠隔授業も​行った。​前回は​十分に​準備する​時間が​とれなかったので、​今回は​授業3回分を​あてて、​グループごとに​フィンランドを​別々の​視点から​発表する​準備を​した。​各自の​自己紹介は​学んだばかりの​日本語を​使い、​名前も​カタカナで​紙に​書いて、​カメラに​写した。​サンタクロース、​冬の​スポーツ、​食べ物と​飲み物、​音楽、​サウナ、​ムーミンの​テーマで​資料を​作り、​カメラに​写しながら​発表した。​日本側からは​様々な​質問が​出て、​前回よりも​和やかな​雰囲気で​進める​ことが​できた。

物理の​授業では、​グループごとに​簡易モーターを​作って​回転の​原理を​考えたり、​発電機の​仕組みに​ついて​説明し、​原発事故に​ついても​取り上げた。​化学の​授業では、​有機化合物の​構造異性体を​分子模型と​構造式から​考える​演習を​行った。​物理の​内容は​日本と​大差ないが、​化学に​ついては​日本よりも​詳しく​細かい​概念まで​扱っていた。​特に、​原子の​電子配置を​s,p,d,f軌道に​分けて​説明し、​混成軌道に​よる​結合角の​違いまで​扱っているのは、​日本の​理工系大学1年レベルに​相当する。​物質が​なぜ​その​性質を​持つのか、​なぜ反応が​起こるのか、と​いう​化学の​根本を​電子の​動きできちんと​説明しようと​する​姿勢が​うかが​える。​一方で、​授業の​進め方を​見ていると、​実験に​使う​器具を​その​場で​準備したり、​授業が​始まってから​ICT機器の​設営を​するなど、​無駄が​多いと​感じられる​場面が​ある。​その間、​生徒も​友達と​しゃべっていたり携帯を​いじっているなど、​せっかくの​貴重な​授業時間が​失われているのは、​個人的に​残念である。​フィンランド特有の​余裕と​いう​ことなのだろう。

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