カナダの​教員と​しての​働き方

実際に​現地校で​研修すると、​カナダと​日本の​教員の​勤務体制を​比べる​ことができます。​同じ​"公立学校の​小学校教員"と​いう​職業でも、​日本と​カナダでは​異なる​点が​あります。​今回は、​私が​実際に​研修を​通して​気付いた、​カナダの​労働環境の​良い​点を​4つ​紹介します。​これらは​どれもが、​日本の​教育業界に​おける​過酷な​労働環境を​変える​手段に​なりうると​私は​感じます。

①補教体​制

日本では、​担任が​体調を​崩した​ときは、​専科の​授業等で​手が​空いている​教員が​代わる​代わる​クラスに​入って​授業を​したり、​同じ​学年の​先生方で​3クラス同時に​授業を​したりする​こともあります。​校内に​いる​教員だけで​学校を​まわさなくてはならず、​他の​先生方の​貴重な​授業準備や​事務作業の​時間を​つぶし、​自分の​クラスに​入って​もらわなければなりません。​担任が​休むことに​よって​他の​教員への​負担が​大きくなり、​迷惑を​かけてしまうと​いう​思いから​休みを​取りづらいのが​現状です。​また、​補教の​ときは​プリント学習など​教員に​よる​具体的な​指示が​なくても​できる​学習が​続き、​あまり​授業内容が​進むことがありません。​担任が​インフルエンザ等で​長く​休むと​その​分授業も​遅れ、​取り戻すのに​プランを​練り直す​必要が​あります。

一方、​カナダの​学校の​補教体制は、​外部に​あります。​担任が​休む​場合は、​インターネット上の​補教システムに​アクセスし、​臨時教員が​実際に​授業を​行います。​校内で​教員を​まわす​必要が​なく、​授業プランを​細かく​伝えておけば​授業も​進めてくれます。​子供たちから​したら​"校内に​いない​見知らぬ​大人"が​急に​授業を​するのは​違和感が​ありますが、​他の​教員に​迷惑を​かけず、​かつ​授業が​進むのは​ありがたい​体制だと​感じます。​担任の​体調不良時だけではなく、​外部の​方との​打ち合わせや​校内に​大きな​飾り付けを​作る​時も​補教体制を​とります。​午前中に​補教体制を​組み、​校内の​装飾を​終えると​自分の​クラスに​戻り、​定時で​帰る​教員も​いました。​「日本なら、​作品展前など、​放課後18:00、​19:00過ぎまで​残業して​校内の​飾り付けを​するのに​...」と​その​様子を​見て​驚きました。

②一クラスに​担任が​二人いる

カナダでは、​子育てを​している​教員でも​学年関わらず​担任を​もっています。​日本では、​小さい​お子さんを​抱えた​教員は​算数少人数などの​専科を​もつか、​もしくは、​低学年など​5時間授業で​終わる​学年を​担任する​ことが​多いです。​しかし、​カナダでは、​子育て​中の​教員でも​高学年担任を​もつことができます。​月〜水までが​一人の​先生。​木〜金までが​一人の​先生など、​同じ​クラスに​二人の​先生が​曜日別で​動きます。​働く​日数を​絞り、​担任を​もつと​いう​制度です。​授業の​進捗状況等の​連絡が​教員同士で​必須に​なりますが、​働く​日数を​減らす​ことで​子育てを​しながら​気持ちに​余裕を​もつことができるのは​良い​制度だと​感じます。

③EAと​いう​仕組み

カナダでは、​障害の​ある​子供も​通常学級で​過ごします。​支援の​ある​子供一人に​対しEAと​いう​立場の​大人が​一人​つきます。​支援が​必要な​子は​クラスに​たいてい一人は​いる​ため、​必然的に​クラスには​二人以上の​大人が​常に​いることになります。​たとえ癇癪を​起し障害の​ある​子が​教室を​飛び出してしまったとしても、​追いかけてくれる​大人が​います。​担任一人では​どうしようも​ない​ときでも、​大人の​目が​複数ある​体制は​とても​ありがたい​ことです。​また、​休み時間は​EAが​校庭の​子供達を​見ます。​休み時間中の​子供たちは​全員、​校庭で​過ごさなくてはいけない​ルールの​ため、​教員は​その間、​校内で​授業準備や​会議、​自身の​休憩時間と​して​一度​子供と​離れる​ことができます。​自分の​時間と​子供と​触れる​時間に​区切りが​きちんと​ある​体制は、​多忙な​仕事を​する​上でも​気持ちを​リフレッシュする​上でも​大事な​ことだと​私は​感じます。

④出欠席管理

日本でも​カナダでも、​欠席連絡が​なく​朝の​会が​始まっても​登校していない​子供が​たまに​います。​学校に​よるかもしれませんが、​私が​日本で​教員を​していた​時には、​朝の​会を​やりつつ、​「少し​待っててね」と​子供に​話し、​ちょっとした​時間で​担任自らが​職員室に​戻り電話を​かけていました。​集団の​子供を​動かさなくては​ならないのに、​担任が​少しでも​教室を​離れる​ことは​したくない​ことです。​しかし、​カナダでは​出欠席管理を​事務室が​主に​行います。​担任が​データベース上に​出席連絡を​登録すると、​登校してない​子供に​事務の​方が​家庭に​連絡を​してくれます。​遅刻や​早退も​すべて​事務室が​管理します。​こうした​ちょっとした​ことでも​「全て​担任が」と​ならない​体制は​羨ましいです。

以上、​カナダの​職場環境を​みて、​私が​日本の​職場環境に​取り入れてほしい​ことでした。​人件費や​制度の​問題で​日本での​実現は​正直ほど​遠いと​思います。​ただ、​こう​いった​手段は、​労働環境を​変える​上で​将来的に​必要な​ことだと​私は​考えます。

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