インターンシップ参加者の毎月の報告書 |
分類: | フィンランド教育事情 |
◆フィンランドの教育成功の秘訣 |
フィンランド教育成功の秘訣がこんなところにあるのですね。 |
フィンランド/スクールインターン/丸山 秀太郎 さん ( 07/03〜08/03 ) |
フィンランドの教育成功の秘訣について、現時点で気づいたことを3点に絞って整理します。 1、教師業務に専念できる環境 2、現場が優先される環境 3、必要な力が重視される環境、の3点です。 1、教師業務に専念できる環境 日本では、ほとんどの教師が担任を兼務します。担任というと教科指導のほか、生徒同士のいじめやケンカ、生活指導、進路指導、果ては生徒の悩み相談まで、すべてが教師の仕事です。 しかし、ここでは、それらは切り離されて考えられています。 1)VERSO(生徒同士のケンカやいじめを生徒同士で解決させるシステム。 導入後問題は激減) 2)キャリアカウンセリング・カウンセラー(進路指導担当の授業、教師の設置、配備) 3)サイコロジスト(生徒のメンタル面でのケア。悩み相談) 4)スペシャルティーチャー(通常授業についていけない子の個人指導。自由に受けられる。) 5)ステューデントケア(上記専門家の他、校長やドクターを含めた専門家チームの会議) 6)カリキュラムの柔軟性(硬いカリキュラムではなく、教師がそれぞれ独自の授業を実施) という、「教師が自らの授業に時間を割ける背景が整っていること」が、大きな違いと言えそうで す。 2、現場が優先される環境 上記6)も含め、中央より現場が重視されています。教科書も、多くの先生が執筆に関わっています。現場のことは、中央の人よりも、現場の人が決めているのが分かります。 3、必要な力が重視される環境 表現力や思考力など、本来卒業後必要とされている力が重視されているようです。数学以外のすべての教科では、試験で小論文を書きます。論文を書くという過程こそ、思考を深め表現力を高めるということを理解、実践していると思います。 また、数学の授業では、具体的な問題が多く扱われています。実際の社会でどのような使われ方がされているのか、そういうことを意識させながら、問題が出されています。 以上、2ヶ月の生徒、先生との交流の中で、整理できたことを述べました。 |