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2019年07月02日・M・ 40代 , カナダ , 海外教育交換プログラム
  6月は卒業の季節。こちらに来て約3ヶ月という短い時間でしたが、一緒に過ごしてきた子どもたちの卒業は、感動的でした。今回はこの「卒業」に関わる体験をまとめます。

 まずは本番の『卒業式』について。私はずっとkindergartenクラスの補助をしていたのですが、この卒業式に向けて「折り紙を活用したバナー製作」、「ダンスの発表としての『お祭り太鼓』発表」、「『みんなともだち』の日本語による合唱」の3つの制作・発表を、主として任せていただき準備・練習してきました。保護者や祖父母の皆様方の反応がとても気になりましたが、笑顔であふれていました。周囲に装飾したバナーも、どの家族も作品の前で写真を撮った後、自宅に持って帰ってくれました。また、式中に全体の前でスピーチする機会もいただきました。拙い英語でしたが、貴重な経験となりました。

 次に、卒業式翌日の年度末最後の職員会議について。私が経験してきた日本の職員会議とは全く異なりました。まずは全教員が椅子に座って円座します。長机や会議資料は一切ありません。「では始めましょうか」という校長の一言をきっかけに、校長が左隣の教員に向かって"労いのメッセージ"を伝え始めます。この1年間の功績やその教員の存在がどれだけ学校・生徒・地域のためになったかを、心を込めて伝えるのです。

 次に、他の教員が思い思いに、話題になっている教員に感謝の言葉を伝えます。順番はありません。思いついた人が、思ったように感謝や功績を伝えます。最後に、その教員がみなさんに感謝を述べて終わります。これを全ての教員に対して1人1人輪番で繰り返していくのです。中には、涙ぐむ教員もいました。

 最後に私の順番が回ってきました。校長が私にも他と同じように目を見て心を込めて感謝を伝えてくれます。他の教員たちも次々に感謝の言葉をかけてくださいます。私も思わず泣きそうになってしまいました。なんと、最後の職員会議はこれでおしまい!こんなに心温まる、前向きになれる職員会議は初めてでした。

 最後に、たくさんの招待状について。最後の職員会議を終えて夏休みに入りました。やりたいことがたくさんあって、何から始めようか?と考えていた私たちを待っていたのは、ホームパーティーに誘ってくださる、たくさんの「招待メール」です。おかげさまで、ほぼ毎日どこかの御家庭にお邪魔しています(笑)。ここに来られて本当によかったね、と家族と話しています。




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