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2019年6月

夏休みも近づいて来たという事で日本の夏の風物詩である花火をテーマにした授業としてGrade 1 のArtの授業で花火を描きました。

ただ花火を描くのでは面白くないと思ったので今回はスクラッチアートと呼ばれる方法で描きました。スクラッチアートとはクレヨンでカラフルに色を塗り、それを上から黒で塗りつぶしたものを爪楊枝などでひっかいて絵を描く手法です。児童たちは初めて挑戦する絵の描き方でしたが特に苦戦することも無く、終始楽しそうに絵をかいでいました。それぞれ個性的な花火を描いていました。

今回行った活動は、なかや みわさんの絵本『くれよんのくろくん』(2001)の話の中に出てくるものを参考にしました。クレヨンさえあれば誰でも簡単に出来るので是非、挑戦してみてください。
面白かった授業は中学生(college コレージュの生徒。10~15歳)に対しての漢字の書写の授業です。春夏秋冬から一字選び、筆ペンで練習し、最後にはがき大の厚紙に自分のカタカナの名前とともに正書する、というものです。

渡航前に書道をするかどうか迷ったのですが、結果的に、筆ペンでもそれなりに日本文化を紹介できたかな、と感じました。(もちろん、本当の書道をするに越したことはありませんが。渡航前に、書道をしたら墨汁で服を汚さないか、洗濯で落ちる墨汁は本当にきれいに汚れが取れるのか、水で書いて浮き上がる半紙は枚数が少ないし、etcと悩んでいました。筆も持っていき、本来はこれを使うが、今日は日常に使われる筆ペンを使う、と説明した後で始めました。

苦労した点は、powerpointであらかじめ説明はしてたのですが、最初のクラスで、イラストのように文字を塗りつぶす生徒が目立ち、慌てて、一画につき、一度だけ書く!と言って回ったことです。二度目のクラスからは、最初の説明で、見本を見せながらその点をかなり強調したところ、改善しました。また、何度も練習するということも新鮮なようでした。拙いフランス語での説明に苦労したことと、あらためて、日本文化を顧みられたことが収穫でした。一文字を書いた後は他の文字を書いたり、生徒の好きな言葉(ドラゴンの「龍」や好きなスポーツや将来の夢である「消防士」など)をボードに書いてあげ、それを書く生徒もいました。
こちらに来てから最初の3週間程は、様々な年代のクラスの授業観察をさせていただきました。その授業見学期間を経て、今はkindergarten クラスの補助をして過ごしています。私は日本では高校で働いているので、このkindergartenでの研修に意味があるのか?還元できるものを持ち帰れるのか?という思いがあふれる2ヶ月でした。しかしながら最近心境に変化が起こっています。今回はその心境の変化について簡単にまとめたいと思います。

第一に、この2ヶ月はkinderの担任の思いやりあふれる(私への)指導計画どおりに進められていたのだと気づいたことです。最初は後片付けや掃除だけで毎日が過ぎてゆくため、少々悩んだ時期もありました。しかし現在は日常の帯活動にあたる「カレンダー(月・曜日・日にちの練習)」、「色や形のパターン練習」、「書き取り」、「天気」などの一連を任せていただけるようになりました。時間をかけてじっくり研修させていただいていることに気づいてからは、その思いやりに心から感謝しつつ毎日を過ごしています。
 
第二に、直接自分の範疇の高校に入るよりも、より大きな学びを得られていることに気づいたことです。確かに高校生を相手にする方が、経験的に勝手がわかっている分、肉体的にも精神的にも楽だったかもしれません。しかしkinderに入ることによって様々な発見がありました。読み書きがまだ出来ないnativeの子どもたちに、phonicsを使って読み書きを教えている様子、「学校」という枠組みに初めて接する子どもたちに、まず何を最優先事項としてしつけているのかという原点を見られること、日本で言ういわゆる「アクティブラーニング型授業」を成り立たせるための指導法や教室運営方法の「出発点」を観察できること等、実際に目の当たりにしていると本当に興味深いことばかりです。

もうすぐ卒業式です。上述の一例を含む2ヶ月半の研修を経て、今は卒業式に関わる「折り紙を活用したバナー製作」、「ダンスの発表としての『お祭り太鼓』発表」、「『みんなともだち』の日本語による合唱」の3つの製作・発表を任されて日々忙しくしています。何事も目の前の出来ることを一生懸命やり続けるという基本的なことを再確認した2ヶ月半でした。

語学学校に通っています。課題はスピーキングです。スピーキングが少しでも向上すればと思いホームステイ先で過ごしていますが、ホストファミリーとは別棟にいるため、普段の生活で気をつかうことは少ないですが、英語を話したり聞いたりする機会が少ないのが残念です。語学学校で外国の友だちを作ることもとても重要ですが、どちらもネイティブではないため、やはりネイティブの英語に触れたり、そこから使い方を学ぶのは大切なことだと思います。

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