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2018年04月01日・Rie Kimura・ 50代以上 , カナダ , スクールインターン
小学校は毎朝教室で国歌が放送された後は校長先生からのアナウンスがあり、その後クラスごとに、黒板に書かれたスケジュールに沿って授業を進めていきます。途中リーセスという15分休憩が入り、生徒は持参した果物やお菓子を食べます。正午の半分は外で遊び、後半はお弁当を食べます。14時35分に学校が終わるとすぐにスクールバスに乗って帰っていきます。放課後のクラブ活動等はありません。

私は、ホストティーチャーの担当するグレイド4,5クラスに常駐していました。算数では九九を覚えず指を使って数え、分数の計算に戸惑う生徒がみられます。ホストマザーが日系人なので日本語で説明をして下さった中に、カナダでは小学校で勉強よりも情操教育の面に比重を置くそうです。

授業中に発表するのは自分の意見なので、みんなが次々と積極的に発言します。幼い子供たちがすでに自分の意見を持っていることに感心します。騒がしい時も多く、先生方は静かにさせるのに叫ぶので、相当な体力が必要に思います。叱る時は本当に厳しいですが、子供たちも愛情を理解しているので、先生を大好きなのが伝わってきます。

また、発達障害の子や知能に問題のある子も同じ教室で学んでいます。彼らには専門にケアする先生がついており、時には違うカリキュラムを用いて、同じように過ごしています。授業中にその子たちが騒いでも先生が冷静に対応して生徒たちは動揺せず、普段から仲良く助け合っているのは素晴らしいと思います。

また、先住民(ファーストネイションやアボリジニといいます)の生徒もおり、彼らの文化等を尊重しながら共存していく教育が徹底しています。カナダという土地はマルチカルチャーを意識して他を敬う精神を育んでいます。

体育は、冬はもちろんスキーです。隣の敷地でクロスカントリーをしますし、近所のスキー場でダウンヒルもします。ホッケーやスケートも地域で盛んに活動しています。私は日本のダンスとして「よさこい」を教えましたが、みんなで揃えて踊ることがあまりないのと、元々好きなこともあって相当ノリがよく踊っています。カウントや歌詞をリズムに合わせて日本語で覚えました。6月末に全校集会で一斉に踊る予定です。

空手も教えましたが、こちらの子供たちは多少知っているようで、忍者とかカンフーと混合しながらも、とても興味深く学んでくれていると思います。

折り紙や習字は日本人にとっては当たり前で簡単に思えますが、こちらでは「凄い、カッコいい」と大変喜ばれます。鶴は最高難易度ですので、幼稚園から出来る犬やウサギなどからそれぞれ教えると良いと思います。沢山の折り紙と筆ペンは必需品です。習字でなくても、プライスカードに筆ペンでカタカナの名前を書くのが大ウケでした。

英語が不自由だと本当に馴染めず辛い思いをすることもあると思います。遠慮なく話しかけてくれる子供達がいるのは嬉しくなります。自分の言いたいことは伝えられても、普通の会話は幼稚園生のものでも分かりません。ホストマザーとも話しましたが、英語の発音を覚えないことには会話もリスニングも向上しないようです人名、バス停などの地名はおよそローマ字読みでは一致せず、聞いたままを発音しなければ通じません。これらはとても良い英語経験です。
また、気を使って遠慮することは日本では好意的に受け取られますが、こちらではやりたくないのだ、と取られるので、まずは意見や主張をすることが大事です。はっきり言わないことで「何を考えているか分からない人」と思われてしまいます。

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