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3週間がすぎ、ようやくフィンランドでの生活に慣れてきたところです。独特の気候や日々の生活の他、学校生活では、教育システムそのもの、IT環境、授業や生徒指導の在り方、など違いを感じるところは大変多く、とても新鮮です。

学校教育の大きな違いとして感じたのは、システムが大変フレキシブルで自由度が高い一方、生徒の自主、自立、自律、という側面が大きく問われるという点です。授業に関しては、驚くほど革新的な、all in Englishでの、活発な言語活動のある、授業が展開されているわけでもなく、至って普通の講義であったりします。予想に反して、生徒の遅刻や私語、内職も散見されますが、先生が注意をすることはありません。

しかし、寝ている生徒だけはただの一人もいないというのは特筆すべきかもしれません。勉強と長時間に及ぶ部活動(もしくはアルバイト、塾)、少ない睡眠時間に疲れ、自己管理のできていない生徒も多い日本とは対照的に、生徒も先生も、本番で最高のパフォーマンスが発揮できるように、ベストな状態で授業に臨む、という当たり前のことが当たり前に行われていることに、ある意味感動を覚えました。先生方の、効率的に時間を使い、授業準備にこそ時間を割き、そして自分自身と家族、生活を大事にするという働き方は、難しいけれど目指したい形であると思います。

フィンランドの学校教育、外国語としての英語教育、日本語教育、の視察・体験がメインのつもりで来ましたが、その他にも改めて気づかされることももちろん多く、例えば親の仕事の関係等で日本の公立学校へ入れられた外国人児童生徒への支援(学校生活、日本語指導)という問題や、実際に難民の方に出会った中で気づいた難民問題、日本の国防、安全の問題などがそれに当たります。

言葉が通じずコミュニケーションの取れない中で過ごす疎外感や苦痛とその切実な欲求(私は英語に切り替えてもらえますが)、また学びも働きもしない状況に置かれている難民の方々がこれからどうこの社会に対応し生活を保障されていくのかという受け入れ後の問題、学校の避難訓練の中で質問された、日本の避難訓練の内容。北朝鮮の脅威に対しての訓練なのかと言われ、折しも日本ではミサイル着弾時の行動が発表されたところで、今後はそういった避難訓練も必要になるのかもしれないと思うきっかけにもなりました。いろいろなところにアンテナを張り、学びの多い一年にしたいと思います。

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