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2016年3月

2016年03月30日 20代
1年間の研修が終わり、日本に帰ってきました。

自分はフィンランドで何を学んだのだろうと自問自答する日々が続いています。

様々な書籍やインターネットにフィンランドの教育は素晴らしい!っと書いてあります。本当なのかどうか、確かめるべくフィンランドに行き、研修がスタートしました。

効率的な仕事分担、学校施設の充実(1クラスに書画カメラ、プロジェクター、インターネット、パソコンが必ずある。)、自力学習できる教科書類、少人数制など日本よりも優っていると思われるところはたくさんありました。

しかし、すべてを日本に持ち帰ることはできません。上記に挙げた内容を日本で実行するには多額の資金は必要です。私一人だけの力ではどうすることもできません。

そう考えた時に、日本に持ち帰れるものは何か、役立てるものは何かと考えるようになりました。

中学社会科の授業、単語を答えさせるのではなく、文章を答えさせること。モンテッソーリ教育の五感を使った学習方法、季節に応じた図工教材など私一人でも活用することができるものが見つかりました。

仕事ということに関連して、私が一番学んだのは、考え方です。
「仕事は仕事、プライベートはプライベート」この言葉はフィンランド人が直接話していたものではありませんが、彼らと一緒に過ごし、仕事をしたことで私が感じてきたものです。
フィンランドでは、だいたい2時、3時には帰宅、あとは家で過ごします。家では、仕事をしたり、子どもの世話、自分の趣味をします。私は日本で働いていた時は朝早く行き、夜遅く帰る。土日は部活指導という毎日でした。自分のプライベートは後回しになりがちでした。

教師は、人を育てる仕事です。視野が広くなると、その教師に関わる子どもを視野を広くして見ることができます。フィンランドで学んだこと、それは自分の時間を大切にするということです。4月から復職します。学んだことを人生に生きます。


田舎の村にあるイエナプラン教育の学校でのインターンが始まって1か月が経ちました。私は、日本の文化を伝える授業を週に1コマ担当させてもらっています。授業は週に1コマだけなので、ほとんどの時間は授業を見学して過ごしています。

イエナプラン教育では、日本のような一斉授業ではなく、子どもたち与えられた課題をそれぞれ個別でこなす個別学習が行われています。みんな課題の書かれた紙と向き合いながら、友達に質問したり、パソコンやiPadを使ったりと、非常に自由な雰囲気の中で学習しています。先生も子どももリラックスして過ごしているのが印象的です。教材としての学習ゲームの種類の豊富さにも驚かされます。田舎の学校ということを感じさせない先進の学校です。

私が持たせてもらっている授業は、選授業の中の1分野で、子どもは10~12歳の7人だけです。これまでの授業では、パワーポイントでの日本と自分の紹介、折り紙、お好み焼きづくり、ドラえもんをモチーフにしたロールプレイングを行いました。子どもたちは授業に対してそれほど乗り気ではなく、日本に対する興味もさほどないようで驚きました。1コマ90分間、子どもたちの関心を引き付けるのに苦労していましたが、それは自分が日本のような一斉授業をしようとしていたからだと気付き、次回からはもっと自分が説明するのは控えて、子どもたちが自分で考え、活動できる授業にしようと思っています。

突然現れた外国人にも、子どもも親も先生もみんな笑顔で挨拶をしてくれるのでありがたいです。また、外国人ということで特別扱いすることもなく、みんなと同じように扱ってくれるのも居心地が良いです。

衣食住も何一つ不自由はありませんが、一つ残念なことと言えば、大半の授業はオランダ語で行われるので、子どもと先生の会話を理解できないことです。表情から、子どもも先生(イエナプランでは大人は先生ではなくクラスリーダーと呼ばれる)も仲が良く、お互いリラックスしているのだろうということは読み取れますが、どんなことで笑っているのか、どんなことで議論しているのかがわからないのは、もったいないと感じます。
研修から2ヵ月が経ちました。
初めは余裕のない日々が続きましたが、最近ほんの少しだけ周りと打ち解けてきたかなと感じる瞬間があります。
授業を重ねるごとに、子ども達から声をかけられる機会が増えました。
子どもからの「次はいつ来るの?」の質問や、先生からの「子ども達があなたの授業を楽しみにしているよ」といった言葉は、私にとって本当に励みになります。

授業の準備は正直大変で、ここまでやる意味があるのかなと自問自答もしました。
失敗することもありますが、それでもやっぱり頑張れば頑張っただけの効果はありました。

例えば、紐をつけた名札を書き順入りで作りました。名前は子ども達がすごく喜びます。
また授業で名札を使うことにより、子ども達の名前を呼んで接することができます。
授業では、自分達のネームカードを作り、友達同士で挨拶をしながらカード交換しました。
他には、挨拶の授業で紙皿の手作り時計を持っていきました。子ども達の反応がよかったです。班に分かれて問題を出しあう形は、子ども達が主体的にできるのがいいなと思います。

実際に遊びを通して経験することで、子ども達の力として身についているのがわかるので、今後も工夫しながら授業をしていきたいです。
あと三日で研修が終わります。
一年生を振り返ってみると色々なことがありました。

授業をうまく進められず落ち込んだり、自分の英語力の足らなさに悩んだりもしました。
でも、私の授業を受けて、日本語や日本文化に興味を持ってくれたり楽しんでくれたりする子どもたちの笑顔や、先生方の温かいお言葉に支えられて、一年過ごすことができたんだなと実感しています。

9月から、一枚の掲示板をお借りして、季節に合わせた掲示をしてきました。
3月は、折り紙を雪の結晶に切り取り、それを組み合わせてハートの形に掲示し、「Thank you」と「ありがとう」の言葉を掲示しました。
この一年で自分にどれだけのことができて、どれだけ日本のことを伝えられたのか分かりませんが、支えてくださった先生方や子どもたちに少しでも感謝の気持ちが伝わればいいなと思います。

研修を通してたくさんのことを得ましたが、その中でも一番印象に残っていることは、国や文化は違えど、子どもたちの純粋さや笑顔の輝きは同じだということ、先生方はいつでも子どもたちのことを想って一生懸命教育に勤しんでおられることを実感したことです。
また、日本語や日本文化を伝えるのあたり、日本についてたくさん調べて、知らなかったこともたくさん知れて、改めて日本という国が好きになりました。

カナダで、海外の文化や学校の様子に触れ、学校現場に携わることができて、本当に貴重な経験ができました。
小学校での研修が始まり、今はまだ各クラスの授業を見学させてもらっています。日本の小学校とは違う部分が多くあり、驚くこともたくさんあります。1日だけ、別の学校の日本文化を紹介するイベントに参加させてもらいました。生徒達も、日本語で挨拶をしてくれたり、日本について質問をしてくれたりと、フレンドリーな子供達です。クラブ活動も持たせてもらえるようなので、生徒達により興味を持ってもらえるようにこれから授業案等を検討していきます。

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