トップ > 体験談

2014年2月

雪で覆われた景色を見ると、初めてフィンランドに来た日のことを思い出します。「1年」という時間は長いようで本当にあっという間でした。しかし私がこのように「あっという間」と感じることができるのは、ここで過ごす時間が本当に素晴らしい時間だったからだと思います。

 ホストファミリーもホストスクールの先生たちも本当にあたたかく迎え入れてくれ、私はいつも笑顔で過ごすことができました。恵まれたことに、「辛い」「悲しい」と思うことは一度もありませんでした。唯一「悲しい」ことと言えば、帰国後ここに戻ってくる日が確定していないことくらいです。でも、いつの日か必ず、もう一度フィンランドを訪れたいと強く思っています。

 一年間続けた「日記 兼 レポート」はかなりの容量になりました。日々の出来事を日記形式で写真ととも書き溜めたので、帰国後はこれを一つの本にまとめたいと思っています。成果を形に残すことができるということは達成感にも繋がるので、毎日コツコツと続けてきて良かったなと思っています。(これは、今後留学を予定している人たちに自信をもっておすすめします)

 帰国に際し、たくさんの人たちから「ありがとう」という言葉をかけてもらいました。今の私の心は、一言では到底表すことのできない、充実した温かい気持ちで満ちています。

 今後の私の目標は、この経験を活かして次のステップに進んでいくことです。まだまだ自分の可能性を信じているので、今後も学び続け、飛躍を目指していきたいと思います。それと同時に、自分を同じように学ぼうとしている人たちへのアドバイスや、子どもたちの可能性を広げるサポートに力を入れていきたいと思います。自分に何ができるのか、考え始めるとワクワクした気持ちになります。

 最後になりますが、このような充実した経験ができたのはたくさんの人たちのサポートがあったからです。支えてくれた全ての人々に心から感謝し、同時に今後も成長し続けることを約束することで、少しずつ恩返しをしていけたらと思います。ありがとうございました。
 今月は、アウグスブルクという南ドイツにある私立のインターナショナルスクールに2週間滞在しました。ここでは、期間が短いこともあってか、「授業を見学する」という形で、ほとんど日本語や日本文化を教えることはありませんでした。
 この学校には、日本人の小学生が何名かいました。家庭の事情により、英語もドイツ語も知らないまま、ドイツに来る子がほとんどだそうで、通常の授業もあまりわかっていない子も何人かいるようでした。見学している授業の中で、英語で行われる授業についていけない子には日本語で解説したりもしました。こういう形で日本語を教えることは考えていなかったので、とても新鮮でした。また、母国語の授業(日本語)の時の子どもたちの生き生きとした姿もとても印象に残りました。
 また、ベルリンの学校では、日本の宗教について話す機会がありました。授業をするその日に、「日本の宗教について発表してほしい」と頼まれたので、インターネットで手短にまとめられた仏教と神道の説明を印刷し、神社やお寺でどのようにお参りするのかを説明しました。
 私が、大抵1年に1回大晦日の夜に神社やお寺に行きお参りをすることを説明すると、お参りをするのは強制なのか、ということを聞かれました。おそらく、子どもたちはキリスト教と比較していたのだと思いますが、私が「行きたい人は行く」ということを説明すると、興味深そうに聞いてくれていました。普段、特に自分がどんな宗教を持っているのか考えたこともなかったので、準備する時間がほとんどない中、自分の経験の中から話すことは、印象に残る授業となりました。
 また、神社やお寺で最初に口と手を清めることを説明したところ、なぜか日本のトイレ事情について尋ねられたので、翌週に1時間の授業を使って、日本のトイレについてプレゼンテーションをしました。日本の高機能トイレの紹介だけでなく、学校で1年生からトイレ掃除をすることを説明すると、多くの生徒が驚いていました。ちょうど、男子トイレで落書きが見つかった時期と重なり、どのようなトイレにすれば、みんなが気持ちよく使えるのか、というディスカッションにつなげることができました。
・週末は家族と過ごすのが基本
土曜日曜は、家族とゆっくり過ごすのが基本のようです。比較的近くに住んでいる家族には会いに行ったり、向こうから会いに来たりします。兄弟姉妹の数が多いため、親戚がたくさんいて、複数の家族が集まることあっていろいろな年代の家族が揃い、とても賑やかです。家族の写真が家の至る所に飾ってあるのもなんだかほっこりします。
また、どこかに一緒に出かけるというのではなく家を訪れるというのもこちらの文化だと思います。これは家族に限らず、友人もよく招いてお茶をしたりしています。今月は私もいろいろな方のお家にお邪魔させてもらいましたが、どのお家でも素敵なおもてなしを受けています。

・スポーツに夢中
フィンランドの国技はアイスホッケーです。オリンピックということもあり、ほとんどの人が中継を見て応援していました。子どもたちもしっかり応援していたようです。こうやって一つのものを全員が応援しているということは素敵なことです。同時に、他の協議では日本の選手も同じくらい応援してくれました。

・フィンランドの教育法
たくさんの日本の学校との違いを毎日発見しています。ここでは先生が全員に向かって知識を教えるのと、生徒たち自身が調べて発表するのと半々くらい。みんなで一つのことをする行事などが多い集団主義の日本と比べるとそれぞれがそれぞれのペースに合わせて、興味のあることをするという個人主義だなと思います。少人数のクラスで一人一人に目が行き届くように助手の先生もたくさんいます。また、実生活に役立つ授業もたくさんあって、技術、家庭科、などは毎週行われていて、生徒たちの腕には驚かされるばかりです。この学校に毎日通っていて日本のいいところも真似したらいいんじゃないかというところもたくさん見つけては書き留めています。

・少しずつ単語をつなげて...
全く未知の言語を毎日聞いて、自分なりに勉強していると、少しずつ単語が聞こえてきます。自分から話すことはまだ少ししかできませんが、聞こえた単語をつなげて何を話しているか推測しています。よく聞く単語には日本語で言う「えーっと」のように意味を持たないものもあっておもしろいです。
これまでの3ヶ月の間で6年生クラスでは毎週約2時間日本文化を紹介する授業を継続的にさせてもらってきました。決まった曜日・時間に授業は行われるので、6年生の生徒にとって日本文化の授業を受けることが当たり前と感じるようになってきているようです。生徒も私もお互いのことを以前よりも理解し、リラックスした雰囲気で授業を出来るようになってきました。
 このように6年生クラスで継続的に授業をさせてもらっていることは文化を伝える為にはとても重要なことだと感じるようになりました。それは、他学年のクラスでも先生方の要望で何度か授業をさせてもらっています。しかし一度きりでその後授業をしていないクラスもあります。一度だけでも授業をさせてもらったことは大変ありがたいことです。それでも一度だけの内容ではまだまだ日本文化や異文化を経験する面白さを伝えることは出来ていません。6年生のように週一もしくは2週に一回でも継続的に授業をさせてもらうためにどうしたらいいかを考えました。これまで先生方には「今度授業お願いできる?」と声をかけてもらっていた時にだけ授業をしていましたが、自分から授業をさせて欲しいと提案していませんでした。そこで自分から授業をさせてもらいたいと提案する為に、私が何を教えることが出来るのかをテーマごとにリストアップして先生方一人ひとりに見せて、相談をさせてもらいました。すると先生方はとても真剣に話を聞いてくださり、またとても興味を示してくださりました。生徒にどのテーマを知りたいか聞いてく
ださった先生や毎週の授業日を決めてくださった先生など先生方はとても協力的に動いてくださり、一月の中旬から少しずつ授業をする回数が増えてきました。
 これまでの3ヶ月受身ですごし、また先生方のとても協力的な部分に甘えていたなと反省しています。しかし自ら授業をさせてもらうための提案をしたことはこれまでの反省点を一つだけでも改善できたのではないかと思います。残りの3ヶ月半の間で継続的に授業が出来るように自ら動いて先生方とコンタクトを積極的に取っていきたいです。そのときに通常の授業でも忙しい中に日本文化を紹介する授業を組んで、協力してくださる先生方へ感謝の気持ちを忘れずに取り組むようにしたいです。

年が明け、研修期間も半分過ぎた頃、しばらく落ち込む日が続きました。
以前は、海外で生活し英語を勉強し、話すことが目標でしたが、その夢が実現している今、自分は今何を頑張るべきなのか、何を頑張りたいのか見失ってしまったからです。きっとこちらでの生活にも慣れ、余裕が出てきたということでもあると思います。ホストマザーに話すと、「じゅんこは今、目標の調整が必要な時なんだね。」と言われました。そして、改めて今ここで、自分にしかできないことは何だろうかと考え、たどり着いた答えは、ここにいる人たちに自分の思いや知識を伝えることでした。そうして、研修期間中に授業100時間を目標に決めました。目標が決まると、自分のすべきことも明確に見えてきます。今までは高学年だけだった授業を幼稚園クラス、低学年クラスにも広げられるよう、各先生に授業をさせてほしいとお願いしに行ったり、低学年用に内容を考えたりいています。
 幼稚園クラスには、スライドを見せながら自己紹介をし、カラーペーパーで作った跳ぶカエルを1人1つプレゼントして、自分で目や口を描き遊ぶということをしました。50近いカエルを作るのは大変でしたが、子どもたちは大喜びでした。
 4年生の1クラスでは私がずっとやりたかった絵手紙を墨と水彩絵の具で作ることになりました。昨年学校で使った残りの画仙紙を持ってきていたので、完成が楽しみです。子どもたち1人1人に、消しゴムでカタカナの名前を彫ってはんこも用意しました。これにもかなり作るのに苦労したので、喜んでくれるといいなと思っています。
 5年生は、宗教の授業と絡めて紙で立体的な蓮を作りました。ネットで調べて難しすぎない豪華なものを作りました。先生方にも子どもたちにもとても好評でした。
 6年生は、科学とつなげて少しエネルギーの話をしようと思っています。
 そして、今週からは3.11のことを各クラスで伝えようと思っています。自然の怖さ、人の温かさや絆、そういったものを伝えられるといいなと考えています。ネットで色々と情報を集めたところ、いい動画もありました。日本人から震災の時に助けてくれた海外の人へのありがとうのメッセージビデオです。日本人の少ない地域だからこそ、日本の代表として日本からのありがとうを伝えたいと思っています。
 目標100時間まで残り約40時間。頑張りたいと思います。
先日5年生の社会科の時間に、日本についてのプレゼンテーションをしました。子どもたち一人一人が、パワーポイントを使って、ヨーロッパの国を調べてパワーポイントで発表するという授業の中で、行わせてもらいました。
ちょうどオリンピックが近いこともあったので、日本で人気の競技や有名な選手の紹介などもしました。デンマークは北欧の国ながら、あまり雪が多くなく、また山もないことなどから、冬季オリンピックに出場する選手が少なく、冬季オリンピックに対して関心の薄い人が多い印象でした。子どもたちも、日本人選手についてはもちろん知らなかったのですが、オリンピックが始まってから、「テレビで見たよ。」、「日本人頑張ってたよ。」などと言ってくれ、嬉しく思いました。
Grade4のアシスタントをしています。個別支援が活動の主ですが、他にも、毎日朝の会で簡単な日本語(挨拶や身近な物の名前など。)のレッスンをしたり、午後はリーディングの小グループを受け持ったりしています。
はじめは、私の英語力のせいもあり、伝えたいことが伝わらずもどかしい思いをしていましたが、最近は、だんだんと子どもたちとコミュニケーションが取れるようになり、学校に行くのが今まで以上に楽しくなりました。子どもたちは簡単な言葉で自分の伝えたいことを伝えようとするので、(こういう時はこんな風に表現すればいいのか。)と気付かされることが多々あります。子どもたちたくさん話すというのは、英語上達の近道なんだと思います。
フィンランドでの生活も残り一カ月となりました。相変わらず忙しい毎日を過ごしています。幼稚園から大学まであちこちの学校を見学させてもらうことで、フィンランドの教育の「全体像」が見えてきました。文献を読むことだけでは分からない「現地の状況」を知ることができ、私がここに来たい意味はここにあるのだろうと思っています。

 また、様々な場所を訪れると、そこに新たな出会いがあります。そこで「教師」「学生」「父親・母親」「祖父・祖母」「現地人」「外国人」など様々な立場の人たちと話をすることで、それぞれの視点から考える「教育」について意見を聞くことが非常に楽しいです。自分とは異なる経験をしてきた人たちの話しを聞くことは大変興味深く、貴重な体験をすることができています。

 時間がいくらあっても足りないと感じる日々ですが、帰国の日は着々と近づいてきています。一つひとつの出会いを大切にし、また、支えてくれている人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、最後まで充実した生活を続けていきたいと思います。
フィンランドでの研修も残り一か月。後半になるに連れて私も生徒たちもお互いに慣れてきてずいぶんコミュニケーションが取れるようになりました。
授業は、小中高と徐々に難しくなってきましたが、伝統文化以外に日本の中高生に人気のあるものや、私たちの普段の生活を話すことも彼らには面白いのだと気づき、「日本の学生の1日」をスライドショーにしたり、プリクラやカラオケの話をしたりしています。制服やランドセルの写真には反応が濃く、制服はあったほうがいいかなどディスカッションに発展させたりもしました。また、中高生の英語の授業では、日本の高校生に英語で手紙を書く活動や、旅行プランナーになったつもりで日本の観光地についてグループ発表を行いました。私の授業を通して彼らが新しい知識を身に付け、日本に限らず、海外に興味を持つきっかけとなれば良いと思っています。 

親子で研修を始め、あっと言う間に10ヶ月目を迎えます。大人の私の英語力は、NZの音に慣れたくらいで、さほど大きな進歩はありませんでしたが、子供3人の言葉の習得には大きな進歩が見られました。12月半ばからの1ヶ月半は夏休みでしたので、ほとんど日本語づけ。初めて映画館でDisneyの"Frozen"を観に行きました。子供達は字幕もない映画を見るのは初めてでしたが、「だいたい理解ができた」と、満足そうでした。映画を字幕ナシでみれるという経験は、
初歩の英語学習者にとって、大きな進歩を実感できる機会となります。子供達も達成感を感じたようで、その後も家でビデオを観るようになりました。
 研修後期となり、今までの研修をまとめる時期になりました。2月から新学期となりますが、NZの初等教育は5歳時から始まり6年間。また中学校は2年間。高校は5年間となっています。中学校は小学校のつながりのような位置づけで、内容も小学校に近いようです。また、課外活動に力を入れており、しっかり学習は、高校からになります。
 5歳時のクラスは、日本の幼稚園に近い学習で座席の配置も5人の1groupとし向かいあって座ります。教室の中はカラフルに色によって分類されており、視角的にわかりやすい配置と工夫されています。日本の1年生にあたるyear2もこのような配置になっていますが、席が日本の様に黒板に向かって前向きになっていないと、学習や先生の話に注意を向けられない生徒も見受けられます。一見環境の良い、少人数でカラフルな室内でも、授業に集中できる生徒の人数は、限られており、日本の40人クラスで一斉授業を行えているのは、日本人が非常によく、家庭でも学校でも躾けられている証であると感じます。また、日本だと「groupで話合う。お互いの意見をわかち合う」活動をする際、おしゃべりに夢中になってしまう生徒も見受けられますが、NZでは、毎週月曜日にはどのクラスでも、週末の活動をgroupごとに話合い、発表する機会が5歳の時からある為、クラスの全員が互いの話を聞き、内容を共有することに慣れています。これは、大人になってからも、人の前で自信を持って話せるようになる訓練をしているわけで、大変興味深く観察・u桷タw)しています。ただし、自信がつきますが、NZの子供たちは大変前向きで、できない事も『できます!』と主張することもあり、
「これができる人?わかる人?』と質問すると、ほぼ全員が挙手をし、発表の時になると、「さっきは分かったんだけど」と、子供ならではの楽しいリアクションもよく見受けられます。
 year1からyear6まで文科省の教科書は存在せず、教師主導の授業展開。「読み、書き、計算」は、基本の授業。「読む」活動は、個人がそれぞれの好きな本を毎週図書館で借りる以外に、毎日「読書」の時間が設定されている。それ以外の理科や社会の教科は総合の授業のように包括的に授業を行っています。つまり、担任の先生によって、生徒の学習には差がでるのは、当然。試験は紙ではなく、一人づつ呼ばれ、室外で教師と口答で行う。1学期に1回、PCを使用した一斉テストを生徒が個別に20分の時間で行い、国内統一の基準で生徒の学力を測る。というシステムになっています。
 日本のように試験が多くはないので、常に、ストレスを感じながら学習することはなく、生徒にとって、小学校での学習は楽しい学習となっています。数字で生徒の評価をしないため、実際に生徒の能力を測るには難しい教育ですが、自由で、ゆったりとした教育カリキュラムの中で生徒が自発的に学力を伸ばすのを待つ教育とも言えます。
 この経験を短期間経験した我が子が4月より日本の教育システムに戻ります。長男は中学生、次男は4年生、長女は1年生。果たしてどのような効果があるのか?少し怖く、ドキドキした期待を親子で持ちつつ、新学期を迎えます。

新年を迎えてから、何かが吹っ切れたかのように自分から動くことが出来るようになりました。研修が始まってから四ヶ月が経ちましたが、今までは校長先生にお願いをし、先生からの連絡を待つという日々が続いていました。しかし、休みに入ってしまったり、学校の行事が入ってしまったりで中々話を進めることが出来ずに足踏み状態の日々が続いていました。そこで、やり方を変えなくては。と思い、自ら他校へ訪問のアポを取ったり、企画を一通り自ら考えた後に校長先生へ許可をとるという行動の仕方に変えました。すると、今までが嘘かのように、様々な予定が入り始め、毎日が充実してきました。それと共に、今までの四ヶ月がとても惜しく感じますが、残りの月日を充実したものに出来るよう、さらに頑張ろうと思います。「自発的行動」の大切さを改めて感じました。

▲ ページの先頭へ