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2011年05月26日・Kazuaki Yazawa・ 20代 , フィンランド , 海外教育交換プログラム

5月9日に、日本での勤務先の私立中学校とFinlandの研修校との間をSkypeでつないで、遠隔授業を行った。日本からは中学2年生が23名、Finlandからは物理の授業グループを中心に高校生が26名参加した。時差が日本から見て-6時間なので、Finlandは始業後しばらく経った9時過ぎ、日本は放課後の15時過ぎに授業を始めた。


初めに時計を見せ合って、画面に映った相手の時間帯が異なることを確認した。東西に8000km以上離れたところに相手がいるという実感を持ってもらおうと考えたからである。次に参加者全員が一人ずつ画面の前で自己紹介した。Finlandの生徒は学習歴も長いために上手に英語を話す生徒が多いが、日本の生徒は英語を習い立てで、名前と年齢を典型文で説明する以上に話すのは難しいようだった。一部の生徒が相手の国の言葉で自己紹介すると、拍手も大きく親近感を感じているようだった。


日本の生徒は、昨年まで私が教えていたのでリラックスしていたが、Finlandの生徒はまだ馴染みが薄く、日本の生徒たちの一体感を見て、やや引いてしまっているように見えた。日本の学校には制服や校歌があるがFinlandではどうか、最近の気温や日照時間の違いについてなど、日本からは盛んに質問が出た。一方で、よく言われるようにFinlandの生徒はとてもシャイで、事前に質問を考えておくよう指示していたにも関わらず、一部の生徒が回答するばかりで逆に質問するような展開にならなかったのが残念であった。通常授業の制約があったので難しかったが、事前に参加予定の生徒を集めて準備できれば、もう少し盛り上がったのかもしれない。


普段の授業では、物理の時間に実験を交えた授業を数回担当した。試験管を使った気柱共鳴の実験と理論の解説、凸レンズ・凹レンズによる像のでき方とレンズの公式による計算、充電したコンデンサーの電位差を利用して教室の生徒全員を感電させる「百人おどし」などを行った。日本の勤務校のように生徒一人一人に実験させるだけの器材が揃わないので演示実験が主体であるが、実験結果を生徒たちとディスカッションして確認しながら次のステップに進めるので、理解度を把握しやすいと思う。実験の準備をしながら担当の先生と話すことで、互いの実験技術やノウハウを共有することができ、秋学期以降も引き続きいくつかの実験を解説することに決まった。


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