スウェーデン、フィンランドでの研修
大澤 史郎さん
スウェーデン・フィンランド
ずっと海外で生活してみたいという希望がありましたが、なかなか実行できずにいました。もともと北欧のハードロックが好きだった私は、唯一の海外体験である北欧旅行の際にスカンセンという野外博物館でおばあさんと少年の2人と一緒になって、案内してもらった事がずっと印象深く思い出に残っていました。その為、私は現地の人にとけこんで生活してみたいと思い、このプログラムに参加することを決意しました。
まず、Swedenに着いて最初にしたことは、サマーコースに通う事でした。そこでは語学だけでなく、小旅行や多くの友人達を得たりなの、かなりの収穫がありました。さて二カ国三都市を廻った私の研修先は、まずGVLE(イェーブレ)という首都ストックホルムから電車で二時間ほど北上したところにある都市です。そこでは中学校が私の研修先でした。最初、中学三年の生徒達をみたときは彼らの大人っぽさに圧倒されてしまいましたが、話してみると皆、素直ないい生徒達でした。
この町は移民が多く、クラスの1/3は、アジア、アフリカ系であり、インターナショナルスクールといった雰囲気でした。概して移民の人たちの方が日本に好意的だったようです。一般的なスウェーデン人は日本に興味がなく、彼らの目は主に他の西欧諸国やアメリカに向けられています。隣のフィンランドにも関心がなく、そのフィンランドでは以前スウェーデンの支配化にあったこともあり、スウェーデン語が公用語となっていて、(フィンランド人に言わせると“不幸にも”)フィンランド人が中学校以上でスウェーデン語を学ぶことが義務づけられているのに対し、スウェーデンではフィンランド語を学ぼうとする人も少ないようです。その為フィンランドで、ついスウェーデン語を使ってしまうとあまりいい顔はされません。フィンランド人はとても愛国心が強く、歴代の大統領の写真が職員室前に飾ってあるのには驚きました。二番目の研修先であったフィンランドはこうしたお国柄で、フィンランド語の全くできない私は、かなりの不安を抱え現地へ赴きました。しかしそんな杞憂はすぐに吹き飛びました。主に英語で意思疎通できたことと、フィンランドの人達はとても親切で、いろいろな人が家に招待してくださり、イースター休暇で実家に帰る際に私も誘ってくださり、他にもいろいろなところに連れて行って下さる機会も多く、思わず目頭が熱くなるほど歓迎して頂きました。
この国はロシアからの独立運動が高まってきたときに日露戦争が起き、間接的に日本がフィンランドの独立を助けることとなった為、対日感情はとても良好だと聞いておりましたが、たったの三ヶ月の滞在で多くの思い出を得ることができました。
私の唯一の心残りは、やはりフィンランド語を十分に勉強しておかなかったことです。そのため子供達ともっと話したいのにうまくできないもどかしさから逃れられない研修で終わってしまいました。「今後はフィンランド語を勉強してから来ます」と言った約束はまだかなえられずにいます。
最後にもう一度Swedenに戻り、郊外のとても小さな町で最後の研修となりました。綺麗な住宅街と広がる農園、まさに絵本に出てくるような風景そのままの素晴らしい町でした。ここでは最後の研修先ということもあり、教え方もかなり慣れてきました。ここの子供たちはとても人なつっこく、また併設された保育園でさらに小さな子供達とも触れ合うことができたのはとても幸運なことでした。ここでのホストファミリーにも大変世話になりましたが、一歳半のEmmaちゃんの存在は私にとってとても大きなものでした。
次にプレゼントについて述べてみようと思います。民芸品、和風のスカーフ、酒、ウイスキー等が喜ばれましたが、意外だったのはついでに持って行った携帯電話のアンテナに付けるアクセサリーが大受けしたことでした。
最後にスウェーデンとフィンランド、どちらがよかったかと聞かれたら、どちらも素晴らしかったと言うよりほかありません。私のように二カ国廻りたいという人もいらっしゃると思いますが、両方行けるのでしたらそれにより2つの国を違う角度から見ることもできます。憧れの北欧でこの活動に参加し、あちらの生活に溶け込むことができたのは私の20代最大の喜びでした。