アロマセラピーカルチャーインターン、心とからだを癒すボディートリートメント

井本恵子さん
イギリス
ロンドンまで車で迎えに来てくれたホストに連れられて3時間、到着したノーサンプトンのWelfordは、満天の星空だった。町まで歩いて30分という片田舎に、そのサラ・ウイリアムさんのクリニックがある。サラはリフレクソロジイ(足の反射区医療法)のディプロマをもっているアロマ・セラピスト。井本さんはひと通りアロマの勉強はしていたが、リフレクソロジイは初めて。さっそく自分がモデルになり、頭と足のマッサージを体験させてもらった。「オイルをつけながら、足のツボを手の親指の先で押していくんです。
クライアントのその時の感じ方で、からだのどこの調子が悪いのかわかるそうです。最初はちょっと緊張したけれど、リラックス音楽とラベンダーの香りで、だんだん穏やかな気持ちになってきました」毎日、クリニックでサラの施療に立ち会わせてもらいながらメモをとった。オイルの名前は共通だが、からだの名称や生理学用語がわからない。もっと英語を勉強しておけばと、今さらながらに思ったという。週1回公民館で、薬物・アルコール中毒の若者のためにサラがボランティアで行っているトリートメントにも同行し、マッサージを手伝う機会もあった。「からだがとても緊張している人がいて、話を聞きながらほぐしてあげると、最後に『リラックスできたよ、ありがとう』と言われてうれしくて」滞在が終わるころにはクリニックでもクライアントの了解を得て、井本さんが施療を試みた。軽いインタビューをし、その人に合うオイルを選ぶ。「あるとき足がむくんでいるからとジュニパーを選んだら、その方の場合は持病の薬の副作用によるものかもしれないからそれはダメ、とサラから注意を受けオイルを代えたこともありました。日本ではこういう実技の練習はなかなかむずかしいので、そこまでやらせてもらって本当にありがたかったです」人間の心とからだを癒すような仕事をしたいと考えるようになった井本さん、アロマだけでなくプラスαとして何を選ぶか、探しはじめたところだ。