第2の故郷
加藤和子さん
オーストラリア
大学を卒業してしばらくは、子供の英語教室で教えていた加藤さん。日本では、通訳ガイドの国家試験から、日本語教育能力検定試験にもパスしたがんばり屋なのだが、オーストラリアで実際に教えて感じたのは、「この国の教育方針のせいで文法的な知識がほとんどない、という学生が大勢いるんです。クラスに1年出ていればペラペラになる、と信じていた学生も少なくありません。」少し根気のいる作業、例えば月日の暗記になるとクラスのあちこちから‘ため息’が聞こえるとか。「でも教師として鍛えられますよ。いかにして皆の注意をひきつけておけるか、ともすれば単調でつまらないパターンプラクティスを、興味ある作業に変えられるか、常に考えなければならないから。」一生懸命やれば、反応は素直に楽しく、自分にも返ってくる。日本語は選択科目だから彼らはいつでも辞められるのだが、昨年50名だった学生は今年3倍になり、加藤さんはインターン修了後も、派遣校で日本語講師を勤める事になったのだ。あくせく働く事により、ゆったりと暮らすことを大切にするお国柄。「ここはもう第2の故郷です。」